プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社は、プジョーの基幹車種となる207の後継モデル「208」を2012年9月20日発表し、11月1日より発売すると発表した。
新型プジョー208は今年のジュネーブショーでワールドプレミアされ、最新のテクノロジーと環境性能でリーダーシップを発揮しつつ、Bセグメントトップの座を奪回すべく市場に投入した。
開発の主眼には、新たに生まれ変わる信念のもと、リ・ジェネレーションをコンセプトにこれまでとは全く違う存在としてリニューアルされている。それは多くの技術への挑戦、多くの矛盾した要件への挑戦であり、例えばコンパクトとより大きな室内スペース、CO2排出量と環境性能などである。そして何より、より多くの人を対象とした訴求力、性別、年齢にかかわらず世界中の人の期待や希望を叶えること、が求められているモデルと位置付けられている。
2シリーズのモデルラインアップは、これまで、ハッチバック、SW（ステーションワゴン）CC（コンバーチブル）で展開されてきたが、今回は3ドアと5ドアのハッチバック、2バリエーションとなる。3ドアには新開発された1.2Lエンジンを搭載するAllure（アリュール）が5MTと組み合わされ、2012年12月1日から発売される。また1.6L+ターボを搭載するGTは6MTと組み合わされ、こちらは 11月1日からの発売になる。5ドアには1.6LのNAエンジンに4ATを組み合わせたPremium（プレミアム）とCielo（シエロ）が用意され、同じく11月1日から発売される。
さらに、この5ドアの208PremiumとCieloには2013年夏にダウンサイジングコンセプトによる、1.2Lエンジン搭載モデルが導入され、2013年の年末にはアイドリングストップも搭載されることになる。そして、3ドアモデルには1.6Lツインスクロールターボ搭載200PSのホットハッチ「GTI」も投入。まもなく開催されるパリサロンでワールドプレミアし、来夏には国内導入が決定している。
新型プジョー208はPSAグループの「1」プラットフォームを採用し、コンパクトで軽量、スペースユーティリティに優れたクルマをつくる目標で誕生している。ボディサイズは、207と比較してフロントオーバーハングが75mm短縮され、リヤも10mm短くなり、よりコンパクトになっている。しかしながら、後席ニースペースは50mm拡大され、乗員のスペースは逆に広いという矛盾を克服している。さらに、トランク容量も大きく拡大し、207と比較し+15Lの285Lを確保、リヤシートをたたんだ状態では1076Lまで拡大する。
大きな特徴となるのが軽量化で、アルミ製のフロントビームアブソーバー、フロントサブフレームのサイズ、ルーフのレーザー溶接、そして超高張力鋼板、高張力鋼板の採用などで207と同じエンジンを搭載したモデルで比較した場合、100kgもの軽量化を実現している。
エクステリアではフロントマスクに強い個性を見ることができる。プジョーのアイデンティティでもあるフローティンググリルは宙に浮かぶような印象を与え、グリル全面にテクノロジカルメッシュや、クローム仕上げのバーなどにより引き締まった表情になっている。ヘッドライトにはLEDのポジションランプが採用され、昼夜を問わず個性的なフェイスを形成しインパクトあるデザインになっている。
またグリル上端に刻まれたPEUGEOTのロゴは、ボンネットを縦に通る2本のラインの起点となり、フロントウインドウ上部、そしてルーフとつながり、テールゲートの開口部にまで至る。そしてボディサイドには、強いキャラクターラインが入り、よりコンパクトで引き締まった筋肉質な印象のデザインとなっている。
インテリアでの特徴はφ35というこれまでの常識では考えられない小径のステアリングと、そのハンドル上部から視認できるメーターパネルはこれまでにない新しい感覚である。もちろん、人間工学に基づいた視認性と操作性が確保されており、デザインとの融合により、新しいスタンダードを誕生させたとしているから注目だ。
そしてコンソール中央には、大型7インチのタッチスクリーンを設置し、さまざまな情報の読み取りと操作を無理なく手が届く範囲で行うことができる。またデザイナーの強い意向により、あえてその存在を強調するために、セミフローティングマウントにしているのも目を惹く。配置も手の届きやすい目の高さとし、ほとんどのコントロールスイッチ類はステアリングホイールかタッチスクリーンで操作できる特徴を持っている。
EB型新開発の3気筒1.2Lエンジンは、今後のPSAグループのBセグメントを担う中心的なパワーユニットで、燃費、CO2排出量では革新的な数値を達成しているという。フリクションロスを低減し、燃焼効率を徹底的に高効率化したエンジンだ。ちなみに、搭載されるエンジンは欧州ではディーゼルが1.4L、1.6L、ガソリンは3気筒の1.0L、1.2L、4気筒の1.4L、1.6Lとラインアップされている。
