2013年9月10日、フランクフルトモーターショーでスマートはコンセプトカー「フォージョイ(four joy)」のワールドプレミアを行なった。このコンセプトカーは、スマートの次世代モデルのコンセプト、デザインを表現しており、都市生活を楽しむ、joie de vivre:生きる喜びがテーマとされている。
ドア、リヤウインドウ、ルーフパネルなしという奇抜な発想の4シーターが次期型スマート フォーフォーの原型なのだ。ボディサイズは全長3494mm、全幅1978mm、全高1494mmで、最小回転半径は4.55m。エンジンの代わりに55kWのモーターを搭載したEVで、気持ちよい加速が得られるという。搭載されるリチウムイオン電池の容量は17.6kWh。ゼロから満充電までに要する時間はヨーロッパ標準の家庭電源で7時間とされている。
「フォージョイのデザインは今後のスマートのデザイン・アイコンになります。そして今回、まず最初にこのスポーティな4シーターのモデルを出展しました」とダイムラー社のデザイン責任者のゴードン・ワグナーは語っている。デザインとしては、超ショートオーバーハング、車体の4隅に配置したホイール、球形のインスツルメントパネルなど、これまでのスマートのデザインも継承されている。
フォージョイには2個の電動スケートボードが搭載でき、都市部の近距離はこのボードで移動するというコンセプトカーらしいアイデアも採り入れられている。
なお新しいスマートの開発・製造は、ルノー/日産との共同プロジェクトで、フランスのハンバッハにあるダイムラー・スマート社の工場では、2人乗りの新型「スマート」が、また、ルノーのノボメスト工場(スロベニア)では4人乗りの「スマート」、ルノー「トゥインゴ」の後継モデルが間もなく生産を開始する予定で、発売は2014年後半を予定している。
次世代の「スマート」と「トゥインゴ」は、共同開発、部品の共通化という設計テーマの下で開発中で、今回出展された「フォージョイ」はまさにそのシンボルといえる。ただし、「スマート」と「トゥインゴ」はそれぞれのブランドを表現する独立した商品となる。