【メルセデス・ベンツ】Aクラスベースのクーペ「CLAクラス」を新発売

4ドアクーペの典型的フォルムを持つCLA180

2013年7月24日、メルセデス・ベンツ日本は、Aクラスをベースにした新型4ドアクーペ「CLAクラス」を同日から発売すると発表した。ただし「CLA 250 4MATIC」、「CLA 45 AMG 4MATIC」の納車は2013年秋を予定しているという。

発表会で登壇したメルセデス・ベンツ日本のマーク・ボデルケ副社長(左)と上野金太郎社長

新型CLAクラスは、2012年に発表されて反響を呼んだ“コンセプトスタイルクーペ”をベースに、スポーティでダイナミックなデザインをまとった4ドアクーペ。メルセデス・ベンツとしては2004年にCLSクラスで世界に先駆けて「4ドアクーペ」という新たなジャンルを生み出したが、このCLAもそのシリーズの一環であり、4ドアでありながらクーペルックで、セダンの快適性、実用性を備えてる。

CLAクラスのエクステリアは、クーペそのもののルーフラインと、スポーティでダイナミックな3本のキャラクターラインによりサイドビューを形成する。フロントマスクは、大径のダイヤモンドグリルとボンネットのパワードームがアグレッシブで力強い印象を与え、ルーフラインからなだらかに繋がるリヤエンドは、ユニークなデザインのコンビネーションランプが目を引く。またCLAのボディはCd値0.23と、量産車で世界最高水準の空力性能を実現したこともトピックで、当然ながら燃費の向上にも寄与している。

cd=0.23とトップレベルの空力性能を実現
床下の気流を緻密にコントロール

 

 

徹底したアンダーフロアの空力処理。アンダーカバーをフル装備している

インテリアは、全席に採用したヘッドレスト一体型スポーツシート、チューブデザインと呼ばれるメーターパネル、SLS AMG流の丸型エアアウトレットなどを採用している。前後席のヘッドレスト下部、ドアアームレスト、ドアオープナーにはLEDによるアンビエントライトが配され、夜間乗車時に柔らかく上質な室内空間を演出。また、「CLA 180」、「CLA 250」には“Mercedes-Benz”、「CLA 45 AMG 4MATIC」には“AMG“のロゴが柔らかく輝くイルミネーテッド・フロントステップカバーを設定している。また後席は2:1の分割可倒式シートを標準装備する。

CLA180
CLA180のインテリア

 

 

CLA250
CLA250のインテリア

 

 

パワートレインは、「CLA 180」に最新世代1.6L・直列4気筒BlueDIRECTターボエンジン(122ps/200Nm)を、「CLA 250」には2.0L・直列4気筒BlueDIRECTターボエンジン(211ps/350Nm)を搭載する。いずれのエンジンもECOスタートストップ機能(アイドリングストップ)を備え、さらに7速の「7G-DCT」と組み合わせる。なお、「新エコカー減税(自動車重量税・自動車取得税)」は、「CLA 180」は免税、「CLA 250」は75%減税の対象となる予定。また、「CLA 250 4MATIC」は、新開発のオンデマンド式の4WDシステム「4MATIC」を搭載している。

複雑なラインで構成されるCLA250のリヤビュー

この「4MATIC」は電動油圧制御式の多板クラッチによって、前後トルク配分を100:0~50:50の間で連続的に変化させ、常に操縦性と駆動力、安定性を確保する。一般的な4WDシステムが横置きのドライブユニットを追加しギヤにより駆動力を90度方向転換して伝達する必要があるのに対して、「4MATIC」は7G-DCTに統合されたパワーテイクオフユニットがリヤアクスルにダイレクトに駆動力を伝達する高効率なシステムとなっている。また、7G-DCTのシフトプログラムに連動してトルク配分特性をコントロールするのも特徴だ。「E(エコ)」モードを選択した場合は、後輪へのトルク配分を減らすことで、エンジン回転数を抑えたエコドライビングに適した特性となり、「S(スポーツ)」または「M(マニュアル)」モードでは後輪へのトルク配分をより増加させ、駆動力を高め、俊敏でダイナミックな運動性を引き出すようにしている。

CLA 45 AMG 4MATIC

CLAシリーズの頂点に立つ超高性能モデルの「CLA 45 AMG 4MATIC」は、最高出力360ps、最大トルク450Nmを発生する世界一パワフルな新開発のAMG 2.0L・直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載する。このエンジンのピーク過給圧は1.8barに達する。0-100km/h加速4.6秒。このエンジンとパフォーマンス志向の「AMG 4MATIC」により、強烈なエンジンパワーを確実に路面に伝達することができる。

CLA 45 AMG 4MATIC
CLA45AMG_4MATIC_のインテリア

 

 

このAMGエンジンは、専用のクローズドデッキ式クランクケース、鍛造ピストン、鍛造クランクシャフトを採用した。ピエゾインジェクターによるスプレーガイド式直噴やマルチスパークイグニッションにより低燃費も追求している。ターボはツインスクロールターボを採用する。

なおこの「AMG 4MATIC」は、パフォーマンスとダイナミズムを追求した専用4WDシステムで、重量配分を最適化するために電子制御の油圧多板クラッチはリヤアクスルに内蔵。前後トルク配分はバリアブルで、通常はFFで走行するが、フロントアクスルの空転を検知すると、車速、加速度、舵角、車輪の回転数差、ギヤポジション、アクセル開度に応じて最大で50%までエンジントルクを後輪に配分することで、加速時やコーナリング時のホイールスピンが少なく、常に最適なトラクション性能を発揮する。また、スポーツ走行に対応する「スポーツハンドリング」モードを備えたAMG専用の「3 ステージESP」を採用し、さらに新機能としてカーブダイナミックアシストを追加。スポーツ走行におけるコーナリング時に、内側のホイールに対してわずかにブレーキ介入、つまりトルクベクタリングを行なうことで、正確なコーナリングを実現するとともに車体をコントロール可能な状態に保つ。

さらに「CLA 45 AMG 4MATIC」は、3つのドライブモード、自動ブリッピング機能、レーススタート機能を備えた「AMGスピードシフトDCT」、AMG専用のスプリング、ショックアブソーバー、スタビライザーを装備した「AMGスポーツサスペンション」、強力な制動力と高い耐フェード性を両立した「AMG強化ブレーキシステム」など、ハイレベルのドライビングパフォーマンスを実現する専用装備を備える。

CLAクラスは安全運転支援システムも採用している。追突のリスクを軽減するレーダー式衝突警告システム「CPA」や、長時間走行時のドライバーの疲労や眠気を70以上のパラメーターで検知して注意を促す「アテンションアシスト」を全車に標準装備。さらに、CPAの警告にドライバーが反応せず、衝突が避けられない場合に自動緊急ブレーキを作動させる「CPAプラス」、車間距離を適切に維持し先行車が停止した場合は自動停止する渋滞追従機能を備えた「ディストロニック・プラス」、ドアミラーの死角範囲をレーダーでモニターして危険性を警告する「ブラインドスポットアシスト」などは「セーフティパッケージ」としてオプション設定(19万円・CLA 45 AMG 4MATICのみ標準装備)されている。

3リンク・ストラット式フロント・サスペンション
マルチリンク式リヤ・サスペンション

 

 

サスペンションはフロントがストラット式、リヤにマルチリンク式を採用。また、ハブキャリアとスタビライザーリンクはアルミニウム製とし、バネ下重量を低減。サスペンションの設定は日本仕様はすべてスポーツサスペンション仕様で、操舵角に応じてステアリングギヤ比が変化するダイレクトステアリングとこのサスペンションの組み合わせにより、俊敏なドライビング特性としている。なお最低地上高は105mmとAクラスと同様に相変わらず低い設定だ。

CLAクラス諸元表

 

 

メルセデス・ベンツ日本公式サイト

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