メルセデス・ベンツのコンパクトモデルでは装備を見直し、お得な価格設定をしたUrban Starシリーズがラインアップし好評を得ているが、DセグメントのCクラスも同様に装備の見直しをし、ラインアップの変更を行なっている。

現行のCクラスはW206型で、2021年に国内導入されたモデルだが、毎年のようにモデル追加を行ないラインアップを充実させている。とくに2024年10月以降発売のモデルは、第3世代のMBUXを搭載し、従来の音楽ストリーミングやインターネットラジオに加え、ビデオストリーミング、オンライン会議ができるサードパーティアプリが使用できるなど、エンターテイメント機能の拡充をしたモデルになっている。
もともとW206のCクラスにはSクラス譲りの新技術を多数搭載し、またインテリアの質感などにも力を入れた高級仕上げとしていたが、今回「C200」と「C220d」にスポーツとラグジュアリーの2タイプをラインアップし、それが装備の見直しをした新しいラインアップになる。

試乗してきたのはC220d Luxuryで、これまでのモデルでは、オプション設定だったものが標準装備になっているモデルだ。具体的には、AMGラインパッケージが標準となり、レザーエクスクルーシブパッケージも標準、アダプティブハイビームアシストなどのセーフティビジョン・パッケージも標準。さらにパノラミックスライディングルーフまで標準装備になっているのだ。





あとは、ドライバーズパッケージのみオプションとして残っており、今回試乗したモデルにはこのドライバーズ・パッケージを搭載したモデルに試乗した。このドライバーズ・パッケージはリヤ・アクスルステアリングとアダプティブ・ダンピングシステム付きサスペンションで、この2アイテムが実にいい仕事をしているのを体験し、Cクラスの進化を感じる試乗ができたのだ。

まずリヤ・アクスルステアリングは2021年の導入時、ガソリンモデルにのみ搭載しており、220dには搭載されていなかった。そしてC200のガソリンモデルで試乗した際、リヤタイヤが操舵されている感覚が伝わってきて、これを違和感と捉えるかどうかはドライバーの価値観によるところだろう、という試乗記を書いた。
関連記事:メルセデス・ベンツC200試乗記 四輪操舵は好き?嫌い?(4気筒1.5Lターボ+9速AT+MHEV)
今回、4年ぶりにメルセデス・ベンツのリヤ操舵に乗ることになったが、これが驚くほどの進化をしており、4輪操舵のネガがすべて消されていることに驚いた。ネガな部分とは、旋回時に感じる「違和感」だ。これまで経験してきた旋回とは異なる旋回をする。その理屈は以前の試乗記でも書いたが、旋回半径の中心位置が車両の中心付近から大きくは外れることにある。中心位置が車両本体から外れ、はるか後方や前方へ移動してしまうため、人間の感覚にはない旋回をするために違和感が残ったわけだ。
それが今回、リヤ操舵していることを全く認識することなく、普通に乗れてしまうのだ。またメリットとして制御が上手にできると直進の座りが良くなり、スタビリティが上がることがある。まさに、今回その感覚を得ることができ、直進時の安心感、どっしり感が強くSクラスに通じるハイレベルな走行フィールになっていることを体感したのだ。

もう一つのドライバーズ・パッケージのアダプティブ・ダンピングシステム付きサスペンションも素晴らしい。非常に乗り心地が良く高級でクラスを超えた質感を提供している。アンジュレーションでのしなやかな動き、大きな入力時のいなし方などSクラスに通じるものを感じる出来栄えだった。
ただし、車両価格は914万円で、このドライバーズ・パッケージ27万7000円と、有料ボディカラ11万円がプラスされて、合計987万9000円なのだ。少し前のEクラスの価格より高い価格なので、Sクラスレベルに仕上がっていることを単純には喜べないかもしれないが・・・


さて、220dのディーゼルエンジンは、すこぶる静粛性が高く発進時に少しエンジン音が聞こえる程度に抑えられている。巡航時のエンジン音は全く聞こえてこないが、アクセルを踏み込めばレスポンスよく加速するディーゼルのメリットが十分にある。



またISG搭載モデルのため、アイドルストップからの復帰も滑らかにエンジンは再始動し、高級車に相応しい滑らかさが伝わってくる。
Cクラスは2021年にW206型が発売になったが、小変更は常に行なわれている様子で、前回の試乗時とはことなる印象を受けた。もっとも試乗車のグレードが異なるし、今回のラグジュアリーは豪華装備を標準装備にしたモデルでもあり、異なる印象になるのは当然なのかもしれない。ただ、制御系は間違いなく進化しており、それが確実に商品価値を上げていることは間違いないと感じる試乗だった。
◆試乗車スペック
C 220d Luxury(ISG)
全長4785mm×全幅1820mm×全高1445mm
ホイールベース2865mm
FR
最小回転半径5.2m
WLTCモード 19.1km/L
市街地モード 14.7km/L
郊外モード 19.1km/L
高速道路モード 22.1km/L
直列4気筒ディーゼルターボ 654M型
145kW(197ps)/3600rpm
440Nm/1800-2800rpm
9速AT
225/40R-19(フロント)
255/35R19(リヤ)
C Class Sedan Price

C Class Station Wagon Price














