2014年10月10日、メルセデス・ベンツ日本は、ハイエンド・クラスのクーペ「Sクラス クーペ」を発表し、同日から受注を開始した。なお、デリバリーは、S550 4MATIC クーペ Edition 1、S63 AMG 4MATIC クーペ Edition 1が2014年12月末頃、S550 4MATIC クーペ、S63 AMG 4MATIC クーペが2015年1月頃、S65 AMG クーペが2015年年夏頃を予定しているという。
今回発表されたSクラス クーペ(C217)は、2013年のフランクフルトモーターショー、東京モーターショーでコンセプトSクラス クーペとして出展され、2014年のジュネーブショーで市販モデルとしてデビューしている。従来のCLクラスの後継モデルとなるが、今回からは18年振りにSクラス クーペという名称を再使用し、改めてフラッグシップクーペであることを主張している。
Sクラス クーペのエクステリアは、ロングノーズ/ショートデッキ、滑らかに下降するルーフライン、フレームレスウインドウといった大型クーペの古典的なプロポーションを基調に、彫刻的でシャープな輪郭と滑らかな面構成によるスポーティでダイナミックなデザイン要素が加えられている。これはモダン・ラグジュアリー呼ばれる最近のメルセデスが採用しているデザイントレンドだ。
ボディサイズは、今やロングホイールベースがメインとなったセダンに比べ、ホイールベースは2945mmと220mm短く、セダンの標準ホイールベースに比べても90mm短い。全長もセダン・ロングの5250mmより約200mm短い5027mm。とはいえ全長5m、全幅1900mmというビッグサイズの2ドア・クーペである。
ディテールでは、片側47個のスワロフスキークリスタルを組み込んだ専用LEDヘッドライトが特徴で、丸みを持つ円柱状の30個のクリスタルをウインカーに、さらに17個のカットクリスタルをポジショニングライトに配置し、揺らめく炎の輝きのような光でラグジュアリーの極みを表現している。
インテリアは、緩やかなカーブを描くダッシュボードからドア、シートまで流れるような一体感のあるデザインで、細部に至るまで最上級品質の本革や本物のウッド素材を駆使し、贅を尽くした高級さと歴史のあるクラフトマンシップを感じさせる。
フロントシートのバックレストには14個のエアクッションが内蔵され、温熱効果で心地よさとリラクゼーションを高めるホットストーン式マッサージ機能を含めた6種類のマッサージ・プログラムを装備。また「エアバランスパッケージ」を追加すると、エアコンは空気清浄機能と心地よい芳香を拡散するパフュームアトマイザー機能を装備する。
メルセデスがインテリジェントドライブと名付けている全方位の安全・ドライバー支援システムはSクラス・セダンと同様に装備している。S65 AMG クーペに標準装備されるカメラを使用したダンパー/車高のプレビュー制御(マジックボディコントロール)に加え、量産車初の機能としてコーナリング時にバイクやスキーヤーのように車高を変化させ車体を内側に傾ける「ダイナミックカーブ機能(カーブ・チルティング)」を搭載している。これによりコーナリング時に乗員に働く横Gを軽減し、より安定した快適なコーナリングを実現しているという。
Sクラス クーペのラインアップは、4.7L・V型8気筒直噴ツインターボエンジンとフルタイム4輪駆動システム(4MATIC)を搭載するS550 4MATIC クーペ、メルセデスAMG製5.5L・V型8気筒直噴ツインターボエンジンとパフォーマンス志向のAMG専用4輪駆動(AMG 4MATIC)を搭載したS63 AMG 4MATIC クーペ、メルセデスAMGによる極限の滑らかさと圧倒的な出力の6.0L・V型12気筒ツインターボエンジンを搭載したS65 AMG クーペを設定。
なお、Sクラス クーペ発表を記念し、内外装に特別装備を採用した特別仕様車S550 4MATIC クーペ Edition 1、S63 AMG 4MATIC クーペ Edition 1を台数限定にて注文受付を開始する。(S550 4MATIC クーペ:限定188台/S63 AMG 4MATIC:限定42台)。