メルセデス・ベンツBクラス 実用性の高いプレミアムモデル【試乗記】(FF/7速DCT)

メルセデス・ベンツのBクラスが2019年6月フルモデルチェンジをした。初期導入モデルは「B180」で7月から納車され始めているが、10月にはディーゼルのB200dの納車も予定されている。そのB180に試乗の機会があったので、お伝えしよう。

フルモデルチェンジを受けたメルセデス・ベンツBクラス。全てを一新してデビューした
フルモデルチェンジを受けたメルセデス・ベンツBクラス。全てを一新してデビューした

Aクラスと共通

基本アーキテクチャーは先行発売するAクラスと同じで、つまり、オールニューで設計された新型モデルだ。ターゲットユーザーはファミリーやアクティブな若年層を中心に考えているため、ユーティリティの向上や誰でもが運転をしやすいと感じる工夫などがある。プレミアムモデルでありながら実用性を重視したモデルというだ。

ルーフ高を下げスポーティなデザインへと変貌した新型Bクラス。写真はB180AMGライン
ルーフ高を下げスポーティなデザインへと変貌した新型Bクラス。写真はB180AMGライン

車両に乗り込むと、アッップライト気味のシートポジションと、視界の広いフロントウインドウから、見晴らしや開放感といったものをすぐに感じる。そして動き出すとハンドルの軽さでも好感度が上がる。駐車場内での切り返しをして出発するが、とても滑らかに素早くハンドルを回せるのがいい。いい意味でメルセデスの敷居を下げるような効果を果たしていると感じる。ハンドルの操舵感を重くして高級感を演出する技法もあるが、Bクラスではそうした簡易的な高級感の演出ではなかった。

国産からの乗り換えユーザーは、インテリア全体から高級車メルセデスであることを感じるだろう
国産からの乗り換えユーザーは、インテリア全体から高級車メルセデスであることを感じるだろう

プラットフォームをはじめAクラスと共有する部分が多いモデルではあるが、随分と印象は違う。試乗車のグレードにもよると思うが、Aクラスは少し硬めに感じる乗り心地もBクラスでは感じない。とても乗り心地はいいのだ。試乗車は「B180のAMGライン」で前後とも225/45-18サイズのタイヤを装着。タイヤはピレリチンチュラートP7を履いていた。

実用性を重視

エンジンはガソリンターボで1.33Lの4気筒で100kW(136ps)/200Nmの出力は十分なパワー感のある走りが可能だ。高速道路での合流や追い越しなど、中間加速にも力強さを感じるので、安心感につながる。

大人4人が余裕を持って乗車できるサイズが確保されているCセグメントサイズだ
大人4人が余裕を持って乗車できるサイズが確保されているCセグメントサイズだ

Bクラスの特徴的なものに、広い室内とラゲッジスペースなどのユーティリティがある。天井高もありヘッドクリアランスは前後席とも十分な高さがある。荷室はリヤシートが4:2:4に分割するので、まさに使い勝手がいい。そしてリヤゲートはモーターを内蔵したパーワーテールゲートで、脚をバンパー下に蹴り込む動作に反応してオープンする機能も搭載している。

MBUX(メルセデス ベンツ ユーザー エクスペリエンス)の搭載もポイントになるだろう。「ハイ メルセデス」で起動するMBUXはユーザーの行動を学習することで、使い込むほどに利便性が高くなることを体験するだろう。また、音声認識では、一般的に使われる用語や流行語は日々クラウド上で更新されているため、将来的にも経年による古さを感じることもないだろう。

スポーティデザイン

先代のBクラスと比較するとインテリア、エクステリアデザインとも、格段にスポーティなデザインにかわった。今、メルセデスではSensual Purity(官能的純粋)という言葉で表現しているが、ラインやエッジを減らし、面で表情を作り込むデザインへと変わっている。またBクラス全体のシルエットもハッチバックのようなスポーティさもあるデザインとなり、上下に薄いヘッドライトやテールランプ類のデザインでロー&ワイドに見えるデザインに仕上がっている。

一枚板デザインの液晶パネルと空調の噴口デザインもスポーティさを演出
一枚板デザインの液晶パネルと空調の噴口デザインもスポーティさを演出

インテリアではメーターパネルが大型の液晶パネルが横たわっている印象で、先進性や新しさを新鮮に感じさせる。エアダクトの噴口デザインもジェットエンジンをイメージさせるデザインで、アクティブな印象を受ける。ダクトのセンターを回すと「カッチ」としたノッチが刻まれ、エア吹き出しのON/OFFがわかりやすく手に伝わってくる。

このエクステリアデザインを採用した新型Bクラスは、実は空力特性にも優れ、Cd値0.24という、にわかには信じがたいスペックにもなっている。メルセデス・ベンツによればルーフ高が下がったことで、前面投影面積が縮小されたこともあり、クラストップレベルの空力性能を実現したと説明している。

小排気量でも力強いパワートレーン

B180に搭載するエンジンはM282型4気筒ガソリン・ターボエンジンで、1.33Lという小排気量だ。出力は最大出力100kW(136ps)/5500rpm、最大トルク200Nm/1400〜4000rpmというスペックになっている。最新設計のこのエンジンは、デルタシリンダーヘッド形状をしており、コンパクトにまとめることができる最新のエンジンだ。このエンジンに組み合わされるトランスミッションは7速のDCT、7G-DCTを搭載する。

B180は1.4Lの直列4気筒ガソリンターボを搭載。7速DCTと組み合わされる
B180は1.4Lの直列4気筒ガソリンターボを搭載。7速DCTと組み合わされる

また、2019年10月から納車が始まる予定のB200dは、OM654q型クリーンディーゼルターボが搭載され、2.0L直列4気筒で110kW(150ps)、320Nmというスペックになっている。このエンジンと組み合わされるトランスミッションは8速DCTで大トルクに対応する8G-DCTとなっている。

戦略的な価格設定はいい意味で敷居を下げる効果があるだろう
戦略的な価格設定はいい意味で敷居を下げる効果があるだろう

<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

【価格】

  • B180:384万円(消費税8%)
  • B200d:422万円(消費税10%)

マニアック評価

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