メルセデス・ベンツ日本は2020年12月15日、クロスオーバーSUVの「メルセデスAMG GLE63S4MATIC+」、「メルセデスAMG GLE63Sクーペ4MATIC+」、「メルセデスAMG GLS634MATIC+」を発売しました。
このメルセデスAMG GLE63シリーズの3機種は、いずれも4.0LのV型8気筒エンジンに、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と48Vマイルドハイブリッドを組み合わせ、さらに可変トルク配分を行なう4輪駆動システム「AMG4MATIC+」や走行安定性を向上させる「AMGアクティブライドコントロール」など、最新のAMGテクノロジーを採用し走行性能を追求した超高性能モデルです。
M177型4.0L V8ツインターボ
パワーユニットはメルセデスAMG社が完全に自社開発した最高出力612ps、最大トルク850Nmを発揮するAMG4.0LV型8気筒直噴ツインターボエンジン「M177」型を搭載。2基のターボチャージャーはV型シリンダーバンクの内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトとしています。
砂型鋳造されたクローズドデッキのアルミニウム製クランクケースに、鍛造アルミニウム製ピストンを組み合わせた軽量かつ高強度なエンジンです。
シリンダー壁にスチールカーボン材を溶射コーティングしたナノスライド摩擦低減加工を施すことで、フリクションを低減。さらに、燃費を高めるために、「Comfort」モードで走行中、エンジン回転数が1000~3250回転で低負荷時には2/3/5/8番の4気筒を休止する「AMGシリンダーマネジメント」も搭載しています。
AMG63シリーズで初のマイルドハイブリッドは、ISGをエンジンとトランスミッションの間に配置。このスターター兼モーターの最高出力21ps、最大トルク250Nmを発生します。このモーターと「48V電気システム」により、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電を行ない、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電します。
エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力アシストを行なうことで、高い効率と力強い加速を実現します。
駆動システムとシャシー
駆動システムはAMGが開発した4輪駆動システムム「AMG4MATIC+」を採用。走行状況に応じて100:0~0:100の範囲で、前後の可変トルク配分を行ない、ハイパワーを4輪へ最適に配分することができます。
また、「電子制御AMGリミテッド・スリップ・デフ」を装備し、走行状況に応じて左右輪はロッキング機構が作動し、コーナー出口での加速タイミングを早め、ブレーキング時の安定性を高めるなどの効果を発揮します。
サスペンションは、マルチチャンバーを備えた「AMG RIDE CONTROL+エアサスペンション」を標準装備。走行状態に合わせた可変プリングレートににより、高い安定性と思いのままの俊敏なハンドリングを実現しています。もちろん、走行状況に合わせて4輪それぞれを電子制御する連続可変ダンピングシステムを採用。また、ボタンを押すことで車高を上げ、駐車場のスロープなどでも気を遣わずに運転することが可能です。
その他に高いアジリティとニュートラルなコーナリング、最適なトラクションを実現する電子制御可変スタビライザー「AMGアクティブライドコントロール」を採用。前後アクスルそれぞれに配されたアクチュエーターが独立して動き、アクチュエーターは電気機械式でレスポンスが速く、1秒あたり1000回の頻度で路面の状態に対応したスタビライザー制御を行なうことができます。これにより、直進時にはしなやかな足回りによる快適な乗り心地、コーナリングや車線変更時にはロールを効果的に抑制し、より快適でダイナミックなドライビングを実現しています。
装備
装備は、自然対話型インフォ テインメントシステム「MBUX」、12.3インチのワイドディスプレイ、コックピットディスプレイ、マルチビームLEDヘッドライト、温冷機能付カップホルダー、ワイヤレスチャージング、フットトランクオープナー(テールゲート自動開閉機能)などの新たな機能装備も充実し、トータルバランスに優れたハイパフォーマンスモデルとなっています。
もちろん常時接続のテレマティクスサービス「Mercedes me connect」を標準設定しています。
また先進安全装備は、最新世代が標準装備されています。「アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付)」は、対向車線を横切って右折しようとするときに、対向車線を直進してくるクルマと衝突する危険がある場合、車速10km/h以内であれば自動ブレーキが作動。対向車の検知は、フロントの長距離レーダーセンサーとステレオマルチパーパスカメラを使って行なわれます。
また、新たに「エナジャイジング コンフォート」を装備。これは各種ヒーターやパフュームアトマイザー(香料)、シート設定、照明、音楽などのシステムを統合的にコントロールするシステムです。 「リフレッシュ」や「バイタリティー」「トレーニング」の3プログラムから選択することが可能。
さらに、「エナジャイジングコーチ」機能を使用すると、高度なアルゴリズムに基づき走行時間等を加味した上で、ガーミン製スマートウォッチを装着した場合は、ドライバーのストレスレベルや睡眠の質などの個人データも活用し、ドライバーの状態にふさわしいモードを推奨します。
また、シートクッションとバックレストのわずかな動きにより、着座姿勢の変更をサポートする「エナジャイジングシート キネティクス」も装備されています。
デザイン
デザインでは、今回新たに縦にルーバーが入ったAMG専用ラジエターグリルが採用されているほか、AMGレッドブレーキキャリパー、AMGスポーツエグゾーストシステムなどのAMG63モデル専用装備を備え、トップパフォーマンスモデルであることを示しています。
インテリアはタッチコントロールボタンを備えたAMGパフォーマンス ステアリングが装備され、スポーティな印象を与えるとともに、正確な操舵のためのグリップを実現するデザインとなっています。
さらに、ステアリングホイールから手を離さずに走行モードを変更することができる「AMGドライブコントロールスイッチ」を標準装備。右側のスポークの根元に位置するボタンは「Comfort、Sport、Sport+、Race」などのダイナミックセレクトの走行モードを選択することができ、左側はサスペンション、マニュアルモード、ESPなどの調整を行なうことができます。
アルミホイールには全モデル22インチの大径デザインが標準装備され、GLS63にはオプションとしてメルセデス・ベンツ/メルセデスAMGで初となる23インチサイズの「ヒマラヤグレーペイント23インチAMGマルチスポークアルミホイール(鍛造)」を設定しています。