メルセデス・ベンツ日本は2019年7月22日、Aクラスに新たなコンパクトセダン「Aクラス・セダン」(V177型)を発表し、予約注文の受付を開始した。なお、デリバリーは「A250 4MATICセダン」は9月頃、「A180セダン」、「A180Styleセダン」は年末頃を予定している。
Aクラス初のセダン設定
Aクラス・セダンは、AクラスやBクラスなどに使用している最新の前輪駆動用シャシーを ベースにした、Aクラスとして初のプレミアムコンパクト・セダンだ。セダンのフォーマルさと、Aクラスの持つ若々しいイメージを融合させたモデルだ。なお、Aクラス・セダンは、ヨーロッパ(ハッチバックと併売)、アメリカ、中国はAクラス・セダンのみ(中国は専用ロングホイールベース仕様も設定)で、日本はヨーロッパと同様にハッチバック、セダンの併売となる。
Aクラス・セダンは対話型インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」やフラッグシップモデルであるSクラスに搭載されている、最新の安全運転支援システムを採用するなど多くの機能を盛り込んでいる。
ラインアップは、1.4L・直列4気筒ターボエンジンの「A180セダン」、「A180Styleセダン」と、2.0L・直列4気筒ターボエンジンに4輪駆動システム「4MATIC」を組み合わせた「A250 4MATICセダン」の3機種だ。
ボディフォルムは、ハッチバックをベースに、上下方向に細いヘッドライトデザイン、低く構えた姿勢のフロントエンド、ボンネットからAピラーとウインドスクリーンへの流れるような繋がりと、ボディ後部の張り出したショルダーなどが、スポーティさを強調。リヤエンドもワイドな印象を与える2分割型リヤコンビネーションランプが採用されている。
またこのワイド&ローなデザインはデザイン面だけではなく、空力性能の改善にも貢献。このセダンはCd値0.22(前面投影面積2.19m2)を達成し、世界で販売されている量産乗用車の中で最高の空力性能を備えている。
インテリアは新型Aクラスの基本的デザインを踏襲。インスツルメントパネルにはワイドスクリーン・ディスプレイが置かれ、解放感があり横方向のワイドさを強調するデザインとなっている。5つの円形のエアアウトレットは、ジェットエンジンのタービンを想わせるデザインを採用するなどハッチバックと共通のデザイン処理としている。
A180Styleセダンにオプション設定されている室内のアンビエントライトは全64色とし、10種類の色彩の世界にまとめることで、鮮やかな色の変化を伴うライティングを採用している。
パッケージングは、これまでのCLAのクーペ的なキャビンに比べ十分な室内長を確保し、大人4人(定員:5名)が快適に過ごすことができる室内空間を実現。トランクスペースは420Lを確保し、4:2:4分割可倒式を採用し多様な使い方ができる。
インフォテイメントとドライバー支援システム
Aクラス・ハッチバックと同様に、Aクラスセダンは対話型インフォテインメントシステムMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)を搭載。人工知能による学習機能で、ユーザーに適応する個別対応能力を備えている。新型自然対話式音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加え、クライメートコントロール、ヒーター、照明など多様な便利機能にも対応している。
安全装備
AクラスセダンにはSクラスと同等のシステムをオプションとして設定。自動緊急ブレーキによる被害軽減機能、車線維持機能、斜め後ろの死角の車両との衝突回避を支援する機能などがラインアップされている。
今回のAクラス・セダンにはステアリングアシストを採用。また、ACCのシステム起動時に高速道路上で自動停止した場合、30秒以内(一般道では3秒以内)であれば自動再発進が可能、渋滞時のドライバーの疲労を大幅に低減。またアクティブレーンチェンジングアシストは、ドライバーがウインカーを点滅させた場合、行き先の車線に車両がいないことを確認して、自動(80km/h以上の場合)で車線を変更する。さらに、走行中にドライバーが気を失うなど万が一の場合には、自動的に車線を維持しながら緩やかに減速・停止する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」も搭載している。
パワートレーン
「A180セダン」、「A180Styleセダン」には最高出力136ps、最大トルク200Nmを発生する、1.4L・4気筒直噴ターボ「M282」型エンジンを搭載している。ルノーと共同開発したこのエンジンは、デルタ形シリンダーヘッド、低フリクション技術を搭載している。
「A250 4MATICセダン」に搭載される2.0L・直列4気筒直噴ターボエンジン「M260」型は、最高出力が224ps、最大トルク350Nmを発生。エンジンブロックはアルミニウムダイカスト製で鋳鉄製シリンダーライナーを備える。エンジン内部の摩擦低減対策として「コニシェイプ加工」(トランペット形状ホーニング)を採用している。
「A250 4MATICセダン」に組み合わされるオンデマンド式の可変トルク配分型の4輪駆動システム「4MATIC」は、通常はほぼ100%前輪駆動で走行し、状況に応じて効率的に後輪にトルクを配分するシステムだ。オフロードや雪道などでは瞬時に適切なトルク配分を行ない、まだドライ路面でもコーナリング時には後輪にトルクを配分し、高い操縦性と走行安定性を確保することができる。
トランスミッションはA180、A250の両モデルとも、実績のある7速デュアルクラッチトランスミッション「7G-DCT」を採用し、ダイレクトな変速を実現しながら、振動も抑えるセッテイングとなっている。
発表記念特別仕様車「A250 4MATIC セダンEdition1」
発表を記念し、特別仕様車「A250 4MATIC セダンEdition1」を設定している。ボディカラーにポーラーホワイトを採用し、コッパーアクセント入りブラックダイヤモンドグリルや専用のコッパーアクセントの入った19インチAMGマルチスポーク・アルミホイール、フロントフェンダーには専用の「Edition1」を示すバッジが装備されている。
インテリアはエクステリアに合わせて、シート、ダッシュボード上部、ドアトリムやフロントアームレスト、フロアマットなどに専用のコッパーステッチを採用。また、64色から選択可能なアンビエントライトが装備され、トリムには、「Edition 1」のロゴが入ったアルミニウムインテリアトリムが採用されている。
また、通常はオプションの安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」、「ナビゲーションパッケージ」、360ドカメラシステム、ヘッドアップディスプレイやアドバンスドサウンドシステムが含まれる「アドバンスドパッケージ」も標準装備され、Aクラスセダン注目の機能を全て備えた、特別なAクラス・セダンとなっている。