2016年3月21日、デュッセルドルフ近郊のアウトバーンA52号線で、ダイムラー・トラック3台がWiFi接続によって連結された自動運転のデモンストレーションを行ない、トラックにおけるデジタル接続の可能性を実証した。
このような自動運転による隊列走行は7%の燃費削減を可能にするとともに、高速道路で車間距離が50mから15mまで接近することが可能になる。ダイムラーの大型トラックの自動運転のハイウェー・パイロット・システムに基づき、3台のトラックは空気力学的に最適化され、完全に自動化された隊列走行を行なった。ダムラー・トラックはこの先進的なシステムを「ハイウェー・パイロット・コネクト」と呼んでいる。もちろん今回のデモ走行は当局の走行許可を受けてけ行なわれている。
このハイウェイ・パイロット・コネクトは安全面においても、人間のブレーキへの反応速度は一般的に1.4秒であるのに対し、自動運転により0.1 秒以下でブレーキを作動させることが可能で、このことにより渋滞削減にも貢献できる。
ダイムラー・トラックの「ハイウェー・パイロット・コネクト」は、自動運転システムがベースとなっている。2014年7月に初公開した「メルセデス・ベンツFuture Truck 2025」を皮切りに、2015年5月にはアメリカで「フリートライナー・インスピレーション・トラック」による公道での自動運転を行ない、2015年10月には、大型トラック「アクトロス」のによるドイツでの公道における自動走行を実施してる。
ダイムラー・トラックは国際商用車ショーが開催される2016年にトラックをインターネットで接続することで、商用車のリーディングメーカーとして自動運転による隊列走行トラックの分野で世界をリードすることを明らかにした。すでに現在、ダイムラー・トラックは他のメーカーを上回る、約36万5000台のトラックが既に「FleetBoard」(ヨーロッパ)と「Detroit Connect」(アメリカ)のシステムを介してデータ接続され、テレマティックスを実現している。
ダイムラー・トラックは、車両とのデータ相互接続を物流と輸送プロセスに関わるすべての業者と共に推進している。完全にネットワーク接続されたトラックは運送において革命的な変化を引き起こし、ドライバーや運送業者、製造メーカーのみならず、社会全体で道路、商品、交通をより効果的かつ効率的にすることができる。
2016年中にダイムラー・トラックは、現在あるテレマティクスサービスに新しいサービスパッケージを追加し、第三者にとってより利用しやすいプラットホームを作る計画だ。
ダイムラー社取締役兼トラック・バス部門総責任者のウォルフガング・ベルンハルトは「私たちはトラックをインターネットに接続し、トラックを物流ネットワークのメインデータの要にしていきます。商品、ドライバー、運行管理者、輸送オペレーター、整備工場、製造メーカー、そして保険会社や公的機関など、全てと繋がることで以前は不可能だったトラクターユニットやセミトレーラーの状態や交通、気象条件、高速道のサービスエリアでの駐車スペースの空き情報、休憩エリアなどの情報をリアルタイムに受け取ることが可能になります」と語っている。