マニアック評価vol80
W204のCクラスはCクラスとしては3代目にあたり、2011年5月に2000ヶ所にも及ぶ変更を加えたビッグマイナーチェンジを行った。そして10月17日にクーペモデルを追加し新発売した。
エクステリア/インテリア
フロントビューはワイド&ローのデザインでグリルセンターには大きなスリーポインテッドスターのベンツマークが目立ち、ショートオーバーハングの若々しく、スポーティな印象のデザイン。サイドビューではクーペ特有の流れるようなルーフラインで低さを感じ、実際セダン比で-40mmである。リヤビューでは、バンパー下部のディフューザーがスポーティでダイナミックな印象を与えている。
インテリアはゆったりとした4シーター仕様で、クーペ専用のヘッドレスト一体型独立シートを採用している。セダンのMCで大きく変化したインテリアの質感は、このクーペモデルにも活かされ、上質で力強くセグメントを超える品質と言っていいだろう。ステアリングにはCLSで初めて採用したセンタースポークにシャドウシルバートリムを施した3スポークステアリングで、クーペ専用のダークアルミニウムインテリアトリムによりスポーツ性を強調している。シートカラーはクーペ専用にフラメンコレッドをはじめ、ブラック、サハラベージュ、アルパカグレーと豊富なバリエーションが用意されている。
パワートレイン
搭載されるパワートレインは、C180、C250ともに1.8Lの直噴ターボエンジンで、最新鋭のメルセデス・オリジナル開発の7速ATである7トロニック・プラスを組み合わせている。出力はC180が156ps/250NmでC250が204ps/310Nmとなっている。ともに、アイドリングストップ機能であるECOスタートスイッチを持ち、エコカー減税75%対象モデルになっている。
シャシーでは近年メルセデスが提唱するアジリティを追及したモデルあり、ハンドリングのよさが感じられる。高いボディ剛性とクーペ専用にチューニングされたサスペンション設定により、俊敏性、快適性を高めているということだ。また、C250にはダイナミックハンドリングパッケージが標準装備され、電子制御式可変ダンパーで減衰特性を変更することが可能である。
実際試乗してみると、可変ダンパーのスポーツとノーマルでは大きく変化し、スポーツモードでは硬いと感じるほどにサスペンションが締め上げられてくる。また、ステアリングやアクセルペダルの操作には、明確な意思がないと加速しない、というのは過去のもので、軽快はハンドル操作、アクセルペダルも軽くなっていた。
エンジン出力とレスポンスも申し分なく、また、直進安定性やハンドリングにおいて、不安に感じることは皆無だ。ちなみに100km/h走行時のエンジン回転数は1800rpm付近で静粛性も高くクラストップレベルであるのは言うまでもない。
Cクラスで唯一ウイークポイントと思われたインテリアの質感も、セダンのMC時に劇的に質感の向上が見られたため、トータルで考えても無敵を誇る出来だろう。その証拠にメーカーの宣伝文句にもCクラス至上最高という表現をつかっているのだから。
●C180BlueEFFICIENCY クーペ435万円 C250BlueEFFICIENCY クーペ598万円●C63AMGクーペ1085万円●DOHC4気筒直噴+ターボ1.8L C250 10.15モード/13.8km/L JC08モード13.2km/L●全長4640mm×全幅1780mm×全高1390mm WB2760mm●車両重量1580kg●乗車定員4名