メルセデスベンツ日本は2011年7月22日、トップレンジセダンのSクラスをマイナーチェンジ。新開発の3.5LV6型、4.7LV8型直噴エンジンに変更し、走行性能と燃費経済性、環境適合性を大幅に高めた4グレードを発売。「 S 350 BlueEFFICIENCY」は同クラスのガソリンエンジン搭載車として、初のエコカー減税対象車になった。
この3.5LV6型エンジンは最新の直噴エンジン技術「BlueDIRECTテクノロジー」と呼称するタイプで、コモンレール式ピエゾインジェクターによる直噴システムを採用している。V型6気筒のバンク角はこれまでの90度から60度に変更。したがってバランサーシャフト付きからシンプルで軽量なオフセット・クランクシャフトに変更されている。カム駆動は低張力の2ステージチェーン駆動となり騒音とフリクションの低減をはかっている。
第2世代の直噴システムであるピエゾインジェクターは運転状態に合わせ、吸気行程において1万分の1秒の反応速度で最大5回の噴射を行い、希薄燃焼と理論空燃費による均質燃焼、成層燃焼の各燃焼モードを切り替えることができ、燃費を高めると同時に燃焼効率と出力/トルクの向上(従来モデル比:出力+25kW/+34PS、最大トルク+20Nm)を両立させている。なお点火はマルチスパークイグニッション(MSI)を採用し、1mm/sec(1000分の1秒)で最大4回の点火を行う。
さらに低フリクション、全域ロックアップの高効率7速オートマチック「7G-TRONICプラス」やECOスタートストップ機能(アイドリングストップ)も採用し、高速走行から市街地までの燃費経済性、環境適合性を大幅に向上させている。
V8型エンジンは排気量を従来の5.5Lから4.7Lにダウンサイズしながら、綿密な燃料噴射を行なうコモンレール式ピエゾインジェクターを用いたスプレーガイデッド・ガソリン直噴式燃料噴射システムと、マルチスパークイグニッション、ツインターボチャージャーなどを採用。その結果、排気量をダウンしながら大幅な性能アップ(従来比で出力約+35kW/+48PS、最大トルク+170Nm)と約33%の燃費向上を両立している。こちらも7G-TRONIC プラスとの組み合わせで、ECOスタートストップ機能も備えている。
なお、S600ロング、S63AMGロングなどのエンジンは従来どおりのラインアップ。

またメルセデス・ベンツ日本は同じく2011 年7 月22 日、最高級ラグジュアリークーペ であるCLクラスのCL 550 BlueEFFICIENCYに、燃費の大幅向上とCO2排出量削減をもたらすECOスタートストップ機能(アイドリングストップ機能)を追加採用して発売した。