メルセデス・ベンツ日本は、Sクラス・ハイブリッドにオーナードライバー向けに標準ホイールベースモデルを追加すると発表した。併せて、S63AMGロングに高出力と環境性能を高次元で両立した新型エンジンを搭載すると発表。
これまでSクラス・ハイブリッド ロングは2008年9月の発売開始以来、Sクラス全体の約15%と堅調な販売を続けてきているが、今回、そのSクラス・ハイブリッドに標準ホイールベースモデルが加わった。リヤシートスペースの広いロングはショーファードリブン向けであり法人需要が多いいが、標準モデルはオーナードライバー向けに全長で13cm、最小回転半径で約20cm小さい標準ホイールベースを採用し、運転しやすいサイズとなっている。
ハイブリッドモデルはリチウムイオンバッテリーを搭載し、約75kg標準車より重量増となっているが、トランクスペースはガソリンモデルと同容量が確保されており、快適性、走行性能を損なうことなく、低燃費と環境性能を実現し、エコカー減税対象車として自動車取得税・重量税が100%減免される。
S ハイブリッド(3.5LV6+ハイブリッド) 1270万円(税込)
S63AMGロングに大幅な燃費改善
CLクラスのマイナーチェンジで発表されたAMGの新エンジンが、このS63AMGロングにも搭載された。排気量が従来の6.2LV型8気筒NAから5.5LV型8気筒直噴ツインターボで800ccダウンされている。綿密な燃料噴射をおこなうピエゾ・インジェクターやマルチスパークをするイグニッションなどをそなえ、出力で+14KW(+19ps)トルクで+170Nm向上している。
最高出力400kw(544ps)、最大トルク800Nmの新エンジンは、トランスミッションも新たになり、トルクコンバーターをもたないATで、代わりに湿式多板クラッチ式のAMGスピードシフトMCTで駆動される。そしてECOスタートストップ機能(アイドルストップ)も付き、従来の7速というギヤ数は同じながら、燃費を50%以上も改善しているという。さらに、CO2排出量も244g/kmと同セグメントにおいて、優れた環境性能をしめしている。
S63AMGロング(5.5L V8型) 2292万円(税込)
AutoProveのひと言
ハイブリッドシステムが、標準車に対してプラス75kgとされ、ハイブリッドシステムとしてきわめて軽量にまとめられていることになる。トランスミッションと一体化されたシステムのメリットといえる。