ロータスのトップモデル、「エヴォーラ」に試乗できた。2015年11月から新型エヴォーラが発売されていたが、エクステリア、インテリアはもちろん、シャシーも含め大幅に一新されているのが特徴だ。<レポート:高橋 明/Akira Takahashi>
新型となったエヴォーラ400の詳細はこちらでレポートしているが、改めて見ると、エンジンはトヨタ製の3.5LのV型6気筒をベースに、スーパーチャージャーとエンジンマネージメント、排気系などをロータスが担当というスタイルは従来と同じ。出力は406ps/410Nmで、これまでのエヴォーラが350ps/400Nmというスペックだったから、大幅な出力アップをしている。
ほぼすべてを一新したという新型エヴォーラ400はエクステリアも迫力が増した。以前はスマイルフェイスのフロントバンパーだったが、新型はサーキットを意識した大型エアインテークデザインとなっている。リヤのウイング形状も全く異なるデザインとなり、迫力満点だ。
バスタブシャシーと呼ばれるモノコックにも手が加えられ、乗降時に厳しかったサイドシル部の形状を変更し、56mm低く幅を43mm狭くしている。そのため、乗り込みが楽になりフットスペースも広くなった。トータルでも車両重量は42㎏軽量化され、1395㎏という軽さ。パワー/ウエイトレシオも3.43kg/psだ。
インテリアは高級感が増している。試乗車はブラックで統一され、レザーとアルカンターラのスパルコ製シートにダッシュボードまで起毛処理された素材でデコレートされている。また、タコメーター、スピードメーターのデザインも一新され、数字が大きなリ見やすくなっている。
試乗車は6速MTだったが、6速ATも従来どおりある。ドライブモードでは「Normal」、「Sport」、「Race」があり、通常のモードでは、スポーツカーなりのエンジン音を響かせ、市街地でも特に目立つようなこともなく走れる。乗り心地は以前より入力が丸くなり、より高級感を増した印象だ。そしてSportモードに切り替えるとエキゾーストのフラップが開かれ、排気管の気持ちよいサウンドが背後から聞こえるのだ。
ハンドリングはロータスらしいもので、ミッドシップの魅力を存分に楽しめる。つまり、フロントノーズの回頭を感じるコーナリングというより、ドライバーシートを中心にヨーモーメントが発生するフィールで、ステアしたと同時に身体が回頭を感じる魅力だ。フロントの接地感はエキシージよりはあるので、ミッドシップ初体験のユーザーにはベストなフィールだと思う。
タイヤはミシュランのパイロット・スーパースポーツに変更され、タイヤサイズはフロント235/35ZR19、リヤが285/30ZR20の前後異径サイズとなっている。またAPレーシングの強烈なブレーキ性能も安心材料のひとつで、排気管の官能的なサウンドを存分に楽しんだ時の安心感をサポートする。
ロータスの本拠地イギリス・ヘセルにある本社で熟練工による手作業の組み立てが行われており、このプレミアムなピュアスポーツカーは、このへセルのテストコースで、以前のモデルを6秒も上回るラップタイプを記録しているという。最高速は300km/h、0-100km/h加速4.2秒というスペックとミッドシップならではのハンドリングは一度経験してしまうと、快楽記憶として体内に浸透すること間違いナシだ。
■価格
エヴォーラ400(6速MT):1355万4000円(消費税込み)
エヴォーラ400(6速AT):1406万1600円(消費税込み)