ジープのコンパクトSUV「レネゲード」にプラグインハイブリッドモデルが追加され、試乗することができたのでお伝えしよう。
モデルの名称は「レネゲード4xe」でフォーバイイーと呼び、リミテッドとトレイルホークのグレードに設定された。エンジンは1.33Lのマルチエアガソリンターボに6速ATが搭載され、モーターはリヤアクスルに独立して設置されている。
エンジンはフロントタイヤを駆動するFFタイプで、プロペラシャフトでつながっていない電動モーターでリヤタイヤを駆動する仕組みだ。さらにエンジンにはジェネレーターを兼ねたモーターが搭載され、2基のモーターを搭載したモデルということになる。
これまでのレネゲードのイメージのまま、モーターが追加され、より悪路走破力などのパフォーマンスが向上し、かつ顕教への配慮がされたモデルという位置付けだ。
レネゲードのラインアップを整理すると「ロンジチュード」、「リミテッド」、「トレイルホーク」の3グレードでロンジチュードはFFに6速TCT(DCT)を搭載。リミテッドは従来のFF+6速TCTと今回のプラグインが加わり、「リミテッド4xe」は電気的4WDになっている。そしてトレイルホークは従来の2.4Lのタイガーシャークエンジンから全車共通の1.3Lマルチエアターボに換装され、ZF製9速ATのオンデマンド4WDが組み合わされている。さらに今回のプラグインによる電気的4xeも追加となり、つまりトレイルホークは2タイプの4WDがあることになる。
試乗
試乗エリアは横浜のみなとみらい周辺をベースに高速道路や市街地を走行する試乗で、残念ながら悪路走破性を体験するチャンスはなかった。もともとレネゲードはそうしたオフロード性能はジープブランドらしい走破力は持っていたが、実際の購買層を考慮すると、悪路を走るより都会で乗るアーバンライフのアシとしての利用者が圧倒的に多い。
そうした視点で試乗してみると、デフォルトはハイブリッドでの走行となっていて、バッテリーの充電状況が良ければモーターで走り出す。エンジンはバッテリーの充電状況とアクセルの踏み込み速度や踏み込み量によって稼働するので、EV走行がメインに感じる。
EV走行の可能航続距離は48kmで、最高速度も130km/hなので日本の道路であれば高速でもEV走行で賄えるわけだ。実際の走行でもEV車?と思わせるほどエンジンがかからないで走行をしていた。意図的にアクセルを強めに踏み込んでもEV走行を続けるので、都市型利用であれば日常はEVだけで用が足りてしまいそうだ。
そうしたEV走行ではロードノイズや風切音などが気になるものだが、そうした静粛性も高く満足度は高いだろう。以前の2.4Lのタイガーシャークエンジンを搭載したトレイルホーク4WDには、オールシーズンタイヤを標準装着し、そのためか走行ノイズが少しきなっていた。だが、今回の電動化と搭載エンジンの変更で静粛性の見直しがあったのだろう。静粛性は格段に向上している。
ガソリンエンジンはフロントタイヤを駆動し、FF走行をする。またEVモードになるとリヤアクスルのモーターでの走行になるため、FR走行になる。そして、その両方のパワーユニットで走行する場合もあるというわけだ。
ちなみに、4WDをコントロールする「セレクテレインシステム」にはAUTO、 SPORT、 MUD&SAND、 SNOWの4つのモードとトレイルホークにだけROCKモードが備わっている。これらの5つのモードは4WDシステムである4xeの2つのモードと組み合わせることができる。
2つのモードとは、「4WD Lock」と「4WD Low」。Lockは15km/h以下になるとリヤモーターは常時作動し、前後のトルク配分比を一定に保ったままフルタイム4WDになる。また15km/h以上ではオンデマンドでの4×4になる。
Lowは、トレイルホークにだけ装備されたROCKモードの時だけ起動でき、砂地や岩場などの特別難しい路面を走破する場合に用いられる低速度での走破力を上げるシステムになっている。
また、リミッテッドとトレイルホークの4xeの違いは出力と装備になる。エンジンは共通の1.33Lターボであるものの、リミテッドの出力は131ps(96kW)/5500rpm、トレイルホークは179ps(132kW)/5750rpm、トルクは共通の270Nm/1850rpmで、共通のモーターは44kW(60ps)/250Nm/2000rpm。統合出力はリミテッドで191ps、トレイルホークが239psという違いになる。
ボディサイズは欧州Bセグメントにカテゴライズされ、全長4255mm、全幅1805mm、全高1695mmと1725mmで、ホイールベースは2570mmとなっている。
価格
レネゲード リミテッド4xe:498万円(税込み)
レネゲード トレイルホーク4xe:503万円(税込み)