【フォーミュラE 】ジャガーがシーズン9に挑むニューマシン「I-TYPE 6」を発表

ジャガーTCSレーシングは2022年11月30日、革新的なフルバッテリー電気自動車(BEV)のフォーミュラEが第3世代(Gen3)へと移行するシーズン9に向けて新たに設計、開発したフォーミュラカー「I-TYPE 6」を発表した。

「I-TYPE 6」は、ジャガー史上最も先進的で高効率なBEVのレースカーだ。フォーミュラEレースカーとしては初めてフロントとリヤの両方にパワートレインを装備しており、フロントには250kW、リヤには350kWの回生能力を追加し、現在のGen2モデルの2倍以上の回生能力を実現しているため、従来のリヤブレーキは搭載されていない。

2023年1月に開幕するフォーミュラEのGen3は、より高速でエキサイティングな緊迫したレースが世界中の市街地サーキットで繰り広げられるはずだ。最新の技術を駆使した「I-TYPE6」は従来から74kg軽量化され、100kWの出力向上により、最高速度は322km/hにまで到達。従来をはるかに超えるパフォーマンスを発揮することになる。

ジャガーTCSレーシングは、独自の新しいアイデンティティでシーズン9へ挑む。「I-TYPE 6」は左右非対称デザインを引き立たせるカーボンブラック、サテンホワイト、洗練されたゴールドアクセントを施した魅力的なカラーリングを採用し、ミッチ・エバンス選手とサム・バード選手のためのユニークな2台をラインアップしている。フォーミュラEでは異例なことだが、ジャガーのドライバー・ラインアップは3年連続で変更がない。

この次世代のフォーミュラEは、ジャガーTCSレーシングとジャガー・ランドローバーにとって、現実世界のテストベッドと位置付けられている。チームはフォーミュラEでの成功を目指し、最先端の技術を開発するというイノベーションを実現するなかで、電動パワートレイン、サステナビリティ、ソフトウェア技術などに関する重要なフィードバックを、レースカーからロードカーへ反映していくことが目的だ。

「I-TYPE 6」から得られたイノベーションと技術資産は、2025年からのBEVのモダン・ラグジュアリー・ブランドとして生まれ変わるジャガーの未来に直接つながる。世界で最もサステナブルなレースカーで、ゼロエミッションのモータースポーツ・カテゴリーに参戦することは、ジャガー・ランドローバーが推し進める「REIMAGINE」戦略の一環であり、2039年までに車両からの排出ガスをゼロにし、サプライチェーン、製品、および事業全体でカーボン・ネット・ゼロ(温室効果ガス排出量ゼロ)の実現を前進させることになるのだ。

ジャガーTCSレーシングは、FIAの環境認証で最高ランクである3つ星を取得し、シーズン9を迎える。これは、チームが環境管理における高次元の取り組みとコミットメントを行っていることを実証している。

Wolfspeedがパートナーとして参加

シーズン9に先立ち、SiCパワー半導体メーカーのWolfspeedがオフィシャル・パワー半導体パートナーとしてチームに参加する。このパートナーシップは、2017年から続く既存の協力関係を発展させたもので、先進のシリコンカーバイド(SiC)技術をレースコース上で効率とパフォーマンスを向上させるために使用してきた。ジャガー・ランドローバーも、Wolfspeedとの戦略的パートナーシップを発表し、次世代のBEVインバーター向けSiC半導体技術の供給を確保しているのだ。このパートナーシップも、特に効率性を重視し、レースカーからロードカーへの技術とノウハウを反映させることを加速させることになる。

チームはMicro Focusとも年間の協力関係を築いてきたが、新たにオフィシャル・テクニカル・パートナーとしての関係を更新した。IDOLやVertica Analytics Platformなど、世界クラスのソフトウェアとサービスがチーム運営に組み込まれることで、膨大な量のデータの収集、処理を行ない、レース中のより正確な予測と即時の判断を可能にする。

Wolfspeed、Micro Focusは、複数年にわたるタイトルスポンサー契約を結んでいるTata Consultancy Services(TCS:世界的なITサービス、コンサルティング、およびビジネス・ソリューション組織)と同様にパートナーに加わり、GKNオートモーティブ、Dow、カストロール、さらにアルパインスターズとUncommonなどのサプライヤーが、ジャガーTCSレーシングのパフォーマンスとイノベーションを支える形になっている。

また、ジャガーの独自のパワートレイン技術は、英国を拠点とする提携先のエンヴィジョン・レーシングに初めて提供されており、レースのグリッドにはジャガーのパワートレインを搭載した4台のフォーミュラEレースカーが並ぶことになる。

ジャガーTCSレーシングは2023年1月14日メキシコシティの開幕戦を皮切りに、12都市、17レースに出場する。

ジャガーTCSレーシング 公式サイト

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