次世代SDVの神経系を解剖 インフィニオン テクノロジーズ×BMWグループ「Neue Klasse」が示す統合E/Eアーキテクチャ革命

自動車向け、産業向けの半導体や電子制御システムをグローバルに展開するドイツのインフィニオン テクノロジーズは、BMWグループが加速させている次世代プラットフォーム「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」の、ソフトウェア定義車両(SDV)アーキテクチャー構築に協業していることを発表した。

BMWのノイエ・クラッセは電動化、デジタル化、サステナビリティを融合させ、将来にわたりアップデート可能な統合型E/Eアーキテクチャーを基盤に“モビリティの再定義”を目指す革新的なモデルだ。

インフィニオンは高性能コンピューティング、高速データ接続、効率的な電力管理を実現する半導体ソリューションを提供しており、2月19日の年次株主総会でノイエ・クラッセ初の市販モデルとなる「iX3」を株主に披露する予定になっている。

ノイエ・クラッセは、ハードウェアを変更せずに無線通信(OTA)で新機能の追加やソフトウェア更新(SOTA)を継続できるスケーラブルなE/E構造を採用。インフィニオンはここにマイクロコントローラーをはじめ、イーサネット、電源管理IC、スマートパワースイッチやeヒューズなど幅広い製品群を投入している。

新アーキテクチャの中核となっているのが、4つの高性能中央演算ユニット「Superbrains(スーパーブレイン)」だ。その1つとして、運動性能、シャシー制御を統合的に制御するコンピューター「Heart of Joy」は加速・制動・操舵といった走行ダイナミクスを単一コンピュータで統合制御し、従来以上に高速な処理と低遅延を実現している。

これによりスムーズで応答性の高い運動性能を実現するとともに、減速回生制御の最適化で航続距離向上にも寄与している。演算基盤は最新世代AURIX(TC4D)が担当し、BRIGHTLANEイーサネットが他システムとのリアルタイム連携を実現している。

最新のソフトウエア・ディファインド・ビークルを構築するために機能別のゾーンアーキテクチャを導入しており、「iX3」では配線ハーネス総延長が従来の常識より約600m短縮され、重量は約30%軽量化されている。

さらにインフィニオンのスマートeフューズの採用により最大150個の従来型ヒューズを置き換え、車両状態に応じた動的な電力分配を可能にしている。これにより不要な電力消費を抑えることでエネルギー効率は約20%向上している。

インフィニオンは2020年以降、車載半導体分野で世界的リーダーの地位を維持。SDV進化に不可欠な高速・低遅延通信を強化するため、2025年8月にはマーベル・テクノロジーの車載イーサネット事業を買収している。

BMWノイエ・クラッセとの協業は、次世代モビリティに向けたSDV基盤構築を加速させる象徴的な取り組みということができる。

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インフィニオン テクノロジーズ 公式サイト

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