2013年9月13日、BMWジャパンは5シリーズのマイナーチェンジを実施。デザインの変更、ドライバー支援システムの採用をはじめ、標準装備品を充実させて同日から発売すると発表した。
BMWにとって最も重要なモデル、フルサイズのエグゼクティブクラス、5シリーズは2009年のフルモデルチェンジにより、現行モデル「F07/F10/F11」が順次登場した。それから4年を経てのビッグマイナーチェンジとなる。今回のフェイスリフトにより、キドニーグリルは立体的なデザインとなり、伝統のL字型リヤ・コンビネーションライトに、スリムなデザインのLEDライトバーを新たに採用。、またグランツーリスモは、リヤ・コンビネーションライトの形状を一新し、よりシャープでワイド感を強調するデザインとしている。
また、新型5シリーズ(M5 除く)は、エクステリアとインテリアにそれぞれのコンセプトに合わせた装備を採用した「Modern(モダン)」、「Luxury(ラグジュアリー)」のデザインラインに加えて、ダイナミックな走りとスタイリングを強調する「M Sport(エム・スポーツ)」を新設定した。
装備では、追突が不可避な場合にブレーキをかけ衝突を回避・被害の軽減を図る歩行者検知機能付き「衝突回避・被害軽減ブレーキ」、車載通信モジュールの搭載により乗員の安全と車両の状態を見守ることで、ドライビングにさらなる安心感を与えてくれる「BMW SOS コール」、「BMW テレサービス」を5シリーズ全車に標準装備としている。
グランツーリスモは、2.0L直列4気筒BMWツインパワー・ターボエンジン搭載の528iグランツーリスモをラインアップに追加。同時にラゲッジルーム容量をさらに60L拡大させている。
その他の変更箇所は、535i(xDrive ツーリング含む)、550i、アクティブハブリッド5、M5は、伝統の丸型4灯デザインをベースに、上下がカットされたライトリングを備えたアダプティブLED ヘッドライトを標準装備とした。
今回から標準装備として採用されたドライバーアシストは、カメラにより前方の監視を行なう「ドライビングアシスト」だ。これは衝突の危険性が高まった際にドライバーに警告を発する「前車接近警告機能」、追突が不可避な場合ブレーキをかけ衝突を回避・被害の軽減を図る「衝突回避・被害軽減ブレーキ」、車線の逸脱をドライバーに警告する「レーンディパーチャーウォーニング」の3機能が含まれている。また歩行者検知機能を備えており、歩行者への接近に対しても、警告と衝突回避・被害軽減ブレーキが作動する。
さらに535i(xDrive ツーリング含む)、550i、アクティブハイブリッド5 には、このドライビングアシストの機能に加え、ミリ波レーダーを併用した「衝突回避・被害軽減ブレーキ」、車間距離を維持しながら自動的に速度制御を行なうことができる「アクティブクルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付)」を含む「ドライビングアシスト・プラス」が標準装備される。また左右後方の車両や追い越し車線を急接近してくる車両をドライバーに警告する「レーンチェンジ・ウォーニング」、システムが衝突の危険性を検知した場合に、フロントのシートベルトのたるみを巻取り乗員の拘束を強めるなど、複数のセーフティ機能を自動的に作動させることで乗員を保護する「アクティブ・プロテクション」も標準装備される。
また550iセダン/ツーリングにはツインターボチャージャー、高精度直噴システムに加え、新たにインテーク・バルブのリフト量を無段階に可変制御するバルブトロニックを採用した新型4.4L・V8ツインパワー・ターボエンジンを新たに搭載。出力は従来モデルに対して約10%向上の450ps/5500rpm、650Nm/2000-4500rpmを発揮し、550iセダンの0-100km/h加速は4.6秒(従来モデルから0.4 秒の向上)という動力性能を発揮する。
M5は今回から「コンペティション・パッケージ」を新たにオプション設定した。より高回転型4.4L・V8・Mツインパワーターボエンジンの出力は15psアップし、575psの出力となり、0-100km/h加速は4.2秒となっている。シャシーではダンパー、スタビライザーの特性を変更した専用サスペンション設定(10mmの車高ダウン含む)に加え、電子制御式多板クラッチによりリヤ左右リヤホイール間で自在にトルクを配分するアクティブMディファレンシャルを専用設定している。