新型BMW「3シリーズ」G20型の注目点

画期的なアルミ材、ホットスタンプ材の多用

さらにボディ、シャシーも大幅に革新されている。BMWはこれまでボディに関しては保守的な作りを維持してきたが、このG20 型からは新世代になった。具体的には熱間成形鋼板、つまりホットスタンプによる超高張力スチールの採用を大幅に拡大し、高強度、高剛性と軽量化を行なっているのだ。

新型BMW「3シリーズ」先出し情報 G20型の注目点

さらにフロント・フレーム部はアルミ材とし、シャシーにもアルミ材を多用。そのため、従来型と比べボディサイズは大きくなっているにもかかわらず55kg軽量化され、同時にボディねじり剛性は50%も高められているという。こうしたホットスタンプ材の大幅採用とアルミ構造材の採用はBMWとしては画期的だ。
新型BMW「3シリーズ」先出し情報 G20型の注目点

スチール材とアルミフレームを結合するセルフピアシングリベット
スチール材とアルミフレームを結合するセルフピアシングリベット

G20型のプラットフォームは、BMWのFRシリーズ共通のCLARモジュラー・プラットフォームだが、ボディ骨格の作り方は大幅に革新されている。さらにサスペンション・アーム類もアルミ鍛造材を多用し、バネ下重量の軽量化も行なわれている。

新型BMW「3シリーズ」先出し情報 G20型の注目点

サスペンションのダンパーには、BMWとしては初の「ハイドロリック・リバウンドストップ・ダンパー」が採用されている。これは、いわゆるダンパー inダンパーと呼ばれ、バンプストッパーの手前から油圧減衰機能を発生させる機能を持っている。つまり大ストローク時でも車両姿勢が乱れず、懐の深いハンドリング性能を引き出す役割を持っている。もちろん上級モデルには電子制御の連続可変ダンパーも装備される。

フロントのバルクヘッドより前方のフロント・サイドフレーム/ストラットタワー部は大型のアルミ材で、フロント部分の軽量を行なっている。バルクヘッド部とアルミのフレームはセルフピアシングリベット(SPR)で結合されている。なお事故修理の場合にバルクヘッドとフロント・アルミフレームを結合するには一般的なブラインドリベットを使用する。

ボディサイズは、全長4709mm、全幅1827mm、全高1442mm、ホイールベース2851mm(いずれもヨーロッパ仕様の表記)で、全長はF30型より85mm、全幅は16mmサイズアップしている。

B48B20型エンジン
B48B20型エンジン

搭載されるエンジンは、2.0L・直列4気筒直噴ターボエンジンだ。呼称は「B48B20」型ツインパワーターボで、従来からのエンジンのテクニカル・アップデート版とされている。330i用は258ps/400Nm、320i用は192ps/320Nmと想定される。テクニカル・アップデートとは、燃費、排ガスレベルを従来より高め、ガソリン粒子フィルターも備えていることを意味している。

ディーゼルは、318d、320d、直列6気筒の330dがラインアップされている。日本に導入されるのは320dと予想される。3シリーズのトップグレードは高出力の3.0L・Mパフォーマンス直列6気筒エンジンを搭載するM340iもラインアップされ、さらにプラグインハイブリッドの330eも登場する。このプラグインハイブリッドのバッテリーでのEV走行距離は60kmとなっている。

新型BMW 3シリーズは、ボディ、シャシーの造りが大幅に進化していること、日本導入モデルは完全な日本オリジナルモデルと呼んでも良いほど特別な仕様になっており、特にドライバー支援システムは上級クラスのシステム並みにアップグレードされている。新型3シリーズはBMWにとって画期的な、攻めの姿勢を示すニューモデルと言えるだろう。日本への導入は2019年初夏頃と想定されているが、その仕上がりは大いに期待できる。

新型BMW 330i 諸元表

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