BMW2シリーズのフルモデルチェンジが2022年2月に発表され、3月から発売が開始されていた。今回その新型BMW220i Msportに試乗することができたのでお伝えしよう。
この2シリーズは少しややこしいがFFモデルとFRモデルの両方が存在し、今回試乗したのはFRモデル。FFモデルはグランクーペ(4ドアクーペ)とアクティブツアラー(MPV的スタイル)があり、クーペモデルがFRということになる。もちろんプラットフォームも異なり、FFはエンジン横置き用で「UKL2」を採用し、FRはエンジン縦置きの「CLAR」を採用している。余談だが、つい先頃2シリーズのアクティブツアラーもフルモデルチェンジを行なったというニュースがあった。
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先代の220i Msportは1シリーズからの派生したクーペという印象もあり、コンフォートな乗り味を記憶しているが、新型220i MsportはG42型となり、ソリッド感が増しよりスポーティな走りが楽しめるモデルへと変化していた。
ボディサイズも大きくサイズアップした。同じ220i Msportで比較すると先代が4470mmの全長に対し4560mmと+90mm、全幅1775mmが1825mmと50mmの拡幅で左右2.5cmずつ広がっている。全高は1420mmと1405mmで-15mmと低められている。そしてホイールベースは2690mmから2740mmとこちらも+50mm延長され全体に大型化されている。
2シリーズクーペは当初、国内で振り回して乗るには最適なサイズ感という印象を持っていたが、新型はもはや3シリーズにも迫るサイズにまで大きくなった。先代F30型の3シリーズは幅1800mm(国内仕様)なので、すでにオーバーサイズになっているのだ。
先代から大きな変化を遂げた乗り味
実際にステアリングを握ってもコンパクトなCセグメントクーペというより、存在感を示せるプレミアムクーペという印象を受ける。がしかし、その走りはインゴット(金属の塊)のソリッド感を持ち、ダイレクトな操舵フィールが快感というスポーツカーだ。先代のコンフォートな乗り味からは大きな変化を遂げていたのだ。
しかしながら乗り心地が犠牲になっているのかといえば、そうではなくサスペンションのストローク感は伝わってくる。違いは先代モデルがステアと同時にヨーが発生しダイアゴナルロールをしながらコーナリングしていくのに対し、ステアした瞬間にヨーの発生と横Gが連動し、ノーズはアペックスの頂点目掛けて回頭していくソリッドな旋回を感じる。
つまりはかなり高い、ボディ剛性によるインゴットフィールが生み出す、新しい高級スポーツカーの旋回芸術というわけで、常にハンドリングマシンとしてのトップランナーを走り続けるBMWらしい駆けぬける歓びがあるのだ。
これはひと世代前のM235iと同じベクトルのドライブフィールだと思う。もちろん6気筒エンジンを搭載したM235iとはパワーフィールは異なるものの、スポーツカーとしての軽快感やソリッド感、そして気持ちよさといった爽快さは共通しているように感じた。
低回転型へシフトしたエンジン
さて、エンジンを振り返るとB48型の4気筒ターボ2.0Lガソリンエンジンで、これも先代のN20B20型から変更されている。しかし馬力に変更なく184psだが、最大トルクは270Nmから300Nmに変更。さらに最大トルク発生回転域が1350rpm-4000rpmへとかなりの低回転型へと制御変更されていた。ターボに関しては詳細情報はないがツインスクロールタイプに変更ない。
組み合わされるトランスミッションも変更なく、安定のZF製8速ATを搭載。またドライブモードの操作やセンターコンソールにあるダイヤル式の操作ユニット類、ナビ操作、ルームミラー背後のETCカード挿入口といった類は正常進化というレベルで、BMWオーナーであればコックピットドリルは不要だ。
国内導入モデルには220iと220i Msportの2タイプを導入し、いずれもガソリンエンジンを搭載。さらにトップグレードにはM240ixDriveのMパフォーマンスシリーズもラインアップしている。