アウディジャパンは、フラッグシップスポーツモデル「R8」をフルモデルチェンジし、受注を開始したことを発表した。2016年度の日本市場割当台数は100台で、販売は2016年7月5日から全国の「Audi Sport Store」を通じて開始される。
欧州で2006年にデビューした初代R8は、スーパースポーツカーらしい卓越したパフォーマンスに加えて、スーパースポーツカーの常識を覆す快適性を備えていた。それにより、全世界で約2万7000台の販売実績を残した。初代デビューから9年目に登場した2代目の新型は、あらゆる面で進化を果たしている。
まずボディは、全長と全高は初代とほぼ同等ながら、全幅は約40mm拡大して1940mmとなり、よりワイド&ローのプロポーションを強調。また、アルミと炭素繊維複合材料(CFRP)を組み合わせた「アウディ スペース フレーム(ASF)」を新開発することにより、フレーム重量は先代モデルを10kg下回る200kgとなっている。
このボディにミッドシップされるエンジンは、V型10気筒の5.2L自然吸気で、540psと610psを設定。パワーウエイトレシオは2.38kg/ps(3.09kg/ps)、0-100km/h加速3.2秒(3.5秒)、最高速330km/h(320km/h)という、圧倒的なパフォーマンスを発揮する。()内は540ps仕様の数値。
その一方、燃料噴射方式に直接噴射のFSIとポート噴射のMPIを組み合わせたデュアル インジェクションのほか、低負荷時にエンジンの片バンクを休止させるシリンダー オン デマンド(COD)や、アクセルオフ時にエンジンを駆動系から切り離すコースティングモードを採用。これにより、先代モデルをしのぐ高い燃費性能を実現している。
駆動方式はもちろん4WDのクワトロだが、システムは刷新。最適化された新開発のソフトウェアを搭載したほか、前輪への駆動力伝達に電子制御油圧多板クラッチを用いることで、前後のトルク配分をより素早く、より広範囲で制御。これにより、優れたトラクションとダイナミックなハンドリングをより高い次元で両立する。
また、トランスミッションの7速Sトロニックも新開発され、シフトチェンジがよりスピーディかつダイレクトになり、レスポンスがアップ。加えて、ローンチコントロールも装備され、4500rpm付近で自動的にクラッチを接続し、タイヤのスリップを最適にコントロールすることで、V10エンジンのパワーを余すところなく路面に伝えて素早い発進加速を可能にする。
このほか、12.3インチのTFTディスプレイにスピードメーターやタコメーター、ナビなどの情報を表示する「アウディ バーチャル コックピット」には、タコメーターを中央に大きく映し出すパフォーマンスモードを新たに用意。マルチメディアインターフェイス(MMI)は、スマートフォンに近いフラットな階層構造を採用することで、より直観的に操作できるようになった最新世代となり、携帯電話回線(LTE)を通じてインターネット上から情報をリアルタイムに入手できるアウディコネクトも標準装備している。
ラインアップは、540ps仕様のV10と、よりハイパワーな610ps仕様のV10プラスの2タイプ。V10プラスにはLEDレーザーハイビームやカーボンのエクステリアパッケージ、リヤウイング、セラミックブレーキなどが標準装備される。
■価格
R8 V10 5.2 FSI クワトロ:2456万円
R8 V10プラス 5.2 FSI クワトロ:2906万円