アウディ本社は2025年6月16日、3代目となるプレミアム・コンパクトSUV「Q3」を発表した。ドイツ本国とヨーロッパ地域では2025年夏に受注を開始し10月に発売される計画だ。

新型Q3は150psの1.5LのTFSIと、クワトロ用の265psを発生する2.0Lの4気筒TFSI、そしてディーゼルエンジンのTDI(150ps)をラインアップし、いずれもマイルドハイブリッド仕様としている。なお、1.5 TSFIはシリンダー休止システム(COD)を搭載する。

さらに1.5Lガソリンエンジン+PHEVのe-hybrid(総合出力272ps/400Nm)を設定。PHEVモデルは85kW(116ps)/330Nmのモーターと総容量25.7kWh(正味容量19.7 kWh)のバッテリーを搭載し、航続距離120kmのEV走行を可能としている。トランスミッションはいずれのモデルも7速Sトロニックを組み合わせている。


新型Q3はMQBevoプラットフォームを採用し、欧州仕様のボディサイズは、全長4530mm、全幅1859mm、全高1601mm、ホイールベースは2680mmというC+セグメント・サイズになっている。

ラゲッジ容量は通常で488L、リヤシートを可能な限り前方に移動させると575Lに拡大され、リヤシートを倒すと1386Lとなり、クラストップレベルの積載性能を備えている。

シャシーも革新され、運動性能はさらに向上している。サスペンションは標準仕様とスポーツサスペンション仕様、さらに2バルブ式可変制御サスペンションが設定されている。2バルブ式可変制御サスペンションはセミアクティブ・サスペンションとして機能する。

エクステリアデザインは、アウディの最新のデザイン手法に基づいている。ラジエーターグリルは、よりワイドなシングルフレームで、グリル部はハニカム構造になっている。ヘッドライトは2つに分割され、上部にデイタイム・ランニングライトとウインカー、下部にメイン・ライトを配置。リヤではオプションのデジタルOLEOランプが用意され、連続したLEDライトストリップとイルミネーションリングをアクセントとして採用。

ヘッドライトはQ3で初めてマイクロLEDモジュールを用いたデジタルマトリックスLEDヘッドライトを採用。約13mm幅のモジュールには2万5600個のマイクロLEDが配置され、個々のマイクロLEDのサイズは約40μmで、これは人間の髪の毛の約半分の太さに過ぎない。これにより照射性能が大幅に向上し、運転支援システムと連動して精緻な配光が可能になっている。

ボディの空力性能も追求され、ハッチバックとしてはハイレベルのCd:0.30を実現している。また、走行中の静粛性も大幅に向上されている。
インテリアは、ソフトラップと呼ばれる一体感のあるパネルがドアからダッシュボード全体の幅にわたって広がっており、水平基調とすることで室内の広さを強調している。

11.9インチのインストルメントクラスターと12.8インチのMMIタッチディスプレイによるパノラミック・ディスプレイがデジタルステージを構成。このディスプレイ配置はフルサイズ・クラスと同等で、またカーブしたデザインにより、ドライバー重視のコックピットレイアウトが実現している。もちろんヘッドアップディスプレイも装備している。
フラットなドアハンドル、すっきりとしたセンターコンソールなどにより、快適な室内空間を体感することができる。

センターコンソールからシフトセレクターがなくなったことにより、センターコンソールは2つのカップホルダーに加え、より広いスペースを実現。15Wの充電出力を持つ冷却機能付きの非接触充電トレイは、2つのUSB-Cポートが備わり、必要に応じてスライドカバーで覆うことができる。リヤには2つのUSB-Cポートが装備されている。
またインテリアは、フロントドアからインスツルメントパネルまで、可変イルミネーションが初めてオプション設定されている。
インフォテインメントシステムは、OSとしてAndroid Automotive OSを採用。YouTubeなどのサードパーティ製アプリは、Audi Application Storeから利用可能で、MMIに直接統合されているため、使用の際にスマートフォンは不要となる。
さらにアバターが表示される学習型音声操作アシスタント「アウディアシスタント」を装備している。
運転支援システムは最新のシステムにアップグレードされ、アダプティブクルーズコントロール、ダイナミック性能と乗り心地を両立させるアダプティブドライビングアシストプラスも新設定されている。これはオンラインデータとも連携し、加減速だけではなく、高速道路はもちろん、白線のない地方道路でもレーンチェンジアシストが可能になっている。