アウディ 150kW急速充電設備の「チャージングハブ」を東京千代田区紀尾井町にオープン

アウディジャパンは2024年4月25日、アウディとしては世界で7番目、ヨーロッパ以外では初となる「Audi charging hub紀尾井町」を東京都千代田区の紀尾井町にオープンした。

アウディは、これまで都市型の大規模なEV急速充電ステーション「アウディチャージングハブ」をドイツのニュルンベルク、スイス・チューリッヒの商業地区にオープンし、続いてオーストリアのザルツブルク、ドイツのベルリン、フランクフルトに開設している。

「アウディチャージングハブ」は、主に自宅で充電できないアパート、マンション住まいの都会のEVドライバーにサービスを提供する急速充電ステーションで、電源はグリーン電力を使用し、急速充電器に格納された使用済みバッテリーに電力を蓄電。EVに急速充電ができるステーションシステムだ。

プレミアムメーカーらしく、ラウンジやカフェを併設し、また商業施設などに隣接した都市部で柔軟かつプレミアムな急速充電インフラを提供するというコンセプトで、そのコンセプトをそのまま日本に導入。東京都千代田区紀尾井町に「アウディチャージングハブ」がオープンした。

紀尾井町ステーションは、アウディのe-tron取扱店であるAudi City紀尾井町と向か合わせの立地で、東京都心のオフィスやホテル、商業施設、官公庁などが密集する立地のため、急速充電拠点のニーズが高いエリアだ。

ここでは、蓄電池を備えた急速EV充電器を2基4口設置している。この急速充電器は、2023年1月20日に発表したパワーエックス社との事業提携に基づき、パワーエックス社製の蓄電池型150kW級の高出力急速EV充電器「Hypercharger（ハイパーチャージャー）」を採用。

この急速充電器は「CHAdeMO 2.0.1」に対応している。しかし、一部輸入車で採用しているCHAdeMOアダプター方式では、使用不可となっている。

なお、150kWでの急速充電では、Q8 e-tronなら約8.5分間、e-tron GTなら約6.5分間で航続距離100km分の充電が可能だ。

1基につき2つのポートを持ち、電気自動車2台同時の急速充電が可能で、1台充電時の最大出力は150kW、2台同時の場合は1台当たり最大120kWの高出力で充電が可能。

ここでは充電需要の低い時間帯に内蔵の蓄電池にカーボンユートラルの電気を蓄え、充電需要が高まる時間帯に提供できるようにし、その蓄えた電気で急速充電をする仕組みだ。また、施設の屋上には、太陽光パネルを設置し、施設の運営に必要な電気を補なうようになっている。

もちろんこの「アウディチャージングハブ」は、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェのEVオーナーを対象に提供するプレミアムチャージングアライアンス（PCA）のメンバー向けだが、急速充電器1基2口は他社EVも利用できる。

そのため他社EVオーナーへの利用を呼びかけをし、その一環として、4月26日から6月30日まで、全EVユーザーに急速充電30分無料体験キャンペーンを提供する。二次元コードを読み取り、必要情報を入力することで、1ユーザーにつき期間中最大2回まで、この「アウディチャージングハブ」を無料で利用することができる。

なお、今後はPCAメンバー向けには予約システムを導入し、待ち時間のない、よりプレミアムなサービスを提供する予定だ。PCAメンバー数は現時点で6000名を超え、PCAメンバー向け最大150kWの急速充電ネットワークは全国356拠点に拡大している。さらに従量制の課金も検討しているということだ。

アウディジャパンのブランド・ディレクターのマティアス・シェーパース
「アウディがグローバルで推進する電動化戦略の要の一つであるAudi charging hubを日本に導入することができ、大変うれしく思います。Audi charging hubの開設は、都市部の電気自動車に対する不安要素の解消に貢献したいという、アウディジャパンの電気自動車推進に対するコミットメントを表しています。紀尾井町は隙間時間に気軽に立ち寄れるロケーションにあり、充電時間には休憩したり、アウディの新型モデルを見ていただいたりしている間に充電が完了し、充電に費やしていた時間を最小限にし、有効活用できます。このプレミアム体験を、多くの皆様に実感いただきたいと思います」と語った。

なおアウディジャパンは、東京の芝公園にも日本で2番めとなる「アウディチャージングハブ」を2025年に新設する計画である。