アウディは2022年11月14日、インゴルシュタット本社でブランドのDNAを象徴する「4シルバーリングス」エンブレムをリニューアルすることを発表した。
先進的なプレミアム・ブランドとして、アウディは高品質なデザインと細部へのこだわりをもつ現代的な顧客層をターゲットにしている。現代のプレミアム・ブランドの表現と製品デザインにおいて、プレミアムな品質を的確に表現するトレンドは2極化しており、大胆で派手なデザイン、もしくは控え目で純粋かつクリーンなデザインのどちらかとなっている。
アウディ・ブランドの哲学にとっては控え目で純粋かつクリーンなデザインが好ましいと考えられた。なぜならその製品の根底にある本質的な価値と控えめな要素が評価されているからだ。アウディの哲学とは、あらゆるディテールに意味があり、その目的を果たしているということで、すべてのモデルのフロントとリヤに装着されているフォーリングスが、そのクルマを一目でアウディと認識できる重要な要素になっている。
そのため、アウディの新しいフォーリングスの形状は以前とほとんど変わらないか、2D(2次元)を採用したことにより、よりモダンでグラフィカルなイメージになっている。
アウディでは、2016年にデジタル化を反映させてデジタル媒体向けに2Dのフォーリングスが生まれているが、これは3次元のように見えるロゴとなっている。新たに一貫したブランド・プレゼンスを実現するために、デザインチームと連携して、車両につけるフォーリングスを改めてデザインし直す事を決定した。
エクステリアに2Dロゴを採用したモデルは、2019年に初めて登場した。その後、2020年の初めに本格的な採用が始まっている。これの目指すところはは、コーポレート・アイデンティティをデジタル領域から車両にも適用して、すべてのモデルが一目でアウディと分かるように標準化することだ。将来的には、雑誌、スマートフォン、屋外広告、そして車両のいずれでも同じようにフォーリングスが見えるようにするという。
新しいフォーリングスは、3つの要素で構成されている。クロームメッキは使用せず、コントラストの高いブラックとホワイトの外観から成る。浮き上がるような印象を与えるホワイトのリングが、ブラック部に埋め込まれているかのように見える。ロゴを視覚的に明るくすることにより、ホワイトのフォーリングスにフラットでプレミアムな外観を与え、細部まで3Dに見えるようになっている。
クロームではなく、新しいブラックとホワイトのリングが生み出すメッセージは、アウディのコーポレート・アイデンティティを明確に表現しており、リング周囲の細いブラックの縁取りは、ボディカラーやラジエーターグリルの色に関係なく、一貫してプレミアムな外観を演出。また顧客は、新しいブラックのフォーリングスを選択することもできるようになっている。このバリエーションでは、白い部分を、光沢のある黒のように見えるダークグレイに置き換えられている。
またこのエンブレム以外に、インテリアとエクステリアのフォントもより統一化されている。将来的には、全モデルは「Audi Type」として知られるアウディ独自のフォントのみが使用される。これにより独自性や品質を損なうことなく、基本的なトーンが大幅に控えめなものになる。
現時点では、車両のBピラーにモデル名、バリエーション、テクノロジーを示すモデル・ネームが付けられる。2分割されたこのハイグロス・ブラックのモデル・ネームは、すべての車両に同じデザインを採用している。乗降時に常に乗員の視界に入るBピラーのレタリングは、「トーン オン トーン」と呼ばれる同系色を重ねる手法で刻印されている。