アウディ 2026年シーズンから自社開発のパワーユニットでF1参戦

アウディ本社は2022年8月27日、スパフランコルシャンで開催されたF1ベルギー ・グランプリの記者会見で、2026年シーズンから自社開発したパワーユニットを搭載するマシンでF1グランプリに参戦することを発表した。

ベルギーGPの記者会見に臨んだ左からステファノ・ドメリカリ(F1グランプリCEO)、モハメド・ベン・スレイム(FIA会長)、アウディのマルクス・ドゥスマン会長、アウディのオリバー・ホフマン技術開発担当役員

アウディのマルクス・ドゥスマン会長は、「モータースポーツはアウディのDNAに組み込まれています。F1はアウディブランドにとって世界的な舞台であると同時に、非常に過酷な開発実験室でもあります。ハイパフォーマンスなエンジンと高い戦闘力を備えたマシンの組み合わせは、いつの時代も自動車業界に革新的で高度なテクノロジーをもたらしてきました。新しいレギュレーションの発表により、アウディはF1に参戦する絶好の機会が到来したと判断しました。F1とアウディはともに明確な持続可能な目標を追求して行きます」と語っている。

参戦を決定した重要なポイントは、世界で最も人気が高いレースシリーズに、より持続可能でコスト効率の高い明確な計画や規則が策定されたことだ。2026年から適用される新しい技術規則(テクニカルレギュレーション)では、より高度な電動化と先進的で持続可能な燃料に焦点を当てている。チームに適用されている既存のコスト上限に加えて、2023年には、パワーユニットメーカーにもコスト上限が設定される。さらにF1は2030年までにカーボンニュートラルなレーシングシリーズになるという野心的な目標も掲げているのだ。

2026年以降、電気モーター、バッテリー、電子制御システム、内燃エンジンから構成される電動パワーユニットの出力は、現在のF1の駆動システムと比較して大幅に増強される。電気モーターは、これまでのMGU-H(排気ターボ駆動発電モーター)が廃止され、直結駆動のMGU-Kは350kW(約470ps)まで増大される。そしてきわめて効率的なV型6気筒の1.6Lターボ・エンジンは、先進的で持続可能なバイオ合成燃料が採用される。内燃エンジンの出力は約400kW(544ps)とされている。この新規則を受け、アウディはシリーズに参戦することを決定したのだ。

パワーユニットは、インゴルシュタットにあるアウディAG本社から近い、ノイブルク・アン・デア・ドナウにあるアウディスポーツが誇る最先端の「コンペテンスセンター・モータースポーツで開発・製造される。

アウディスポーツのマネージングディレクター兼アウディ モータースポーツ部門責任者のユリウス・シーバッハ氏は、「私たちはF1用のパワートレインを開発・製造するために、モータースポーツ部門の貴重なノウハウを活用し、開発センターへの投資を継続し、高度な専門知識を備えたプロフェッショナルを採用します」と語っている。

ノイブルクには、F1エンジン用テストベンチだけでなく、電気モーターとバッテリー用のテストベンチも既に設置されている。現在、スタッフ、施設、技術インフラの面で必要な準備作業が行なわれており、年末までにすべての準備が整う予定となっている。

また、アウディスポーツの100%子会社であるパワーユニット・プロジェクトの別会社が設立されている。この会社の最高経営責任者(CEO)には、アダム ベイカーが就任し、F1プロジェクトの責任者となる。経験豊富なエンジニアであるベイカーは、自動車メーカーやモータースポーツチームで、さまざまな要職を歴任してきました。2021年、アウディ入社前は、FIAに3年間勤務していた経歴を持っている。

アウディは年末までに、どのチームと提携して2026年からF1に参戦するのかを発表する予定となっている。

またアウディスポーツはF1プロジェクトに集中するため、これまで参戦計画を発表していた、ル・マン24時間レース/デイトナ・シリーズヘのLMDhクラスでの参戦プロジェクトは中止することも発表し、耐久レース用のスポーツカーの開発も中断している。ただし、アウディスポーツはカスタマーレーシングとダカールラリーに参戦するための革新的なRS Q e-tronプロジェクトは、これまで通り継続する。

なお、2026年シーズンからの新規則に向け、アウディと同じフォルクスワーゲン・グループのポルシェもF1参戦を企図していると噂されている。

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