アウディ 新たなデザインの世界を切り開くコンセプトカー プロローグがロサンゼルス・オートショーでデビュー

アウディ コンセプトカー プロローグ
ロサンゼルス・オートショーでベールを脱いだコンセプトカー「プロローグ」

2014年11月19日、アウディはロサンゼルス・オートショーで、同社の新しいデザイン部門の責任者、マーク・リヒテの手による新デザインで作り上げられた大型クーペのコンセプトカー「プロローグ」を発表した。

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開発担当取締役のU.ハッケンベルク博士と、新たにデザイン責任者となったマーク・リヒテ

2014年にマーク・リヒテをアウディに呼び寄せた開発担当取締役のウルリッヒ・ハッケンベルク博士は、「彼はアウディのフィロソフィーとDNAを正確に理解し、私たちにまったく新しい視点を与えてくれるデザイン戦略を作り上げました。それは進歩的で非常にエモーショナルで、ブランドの技術の高さと品質を見事に表現しています。今回のプロローグはその最初のプレゼンテーションであり、アウディにとってまさにアイコンとなるモデルです」と語っている。

マーク・リヒテはこのコンセプトカーのキャラクターについて、「アウディの強みはスポーツ性、軽量デザイン、そしてクワトロ(フルタイム4WD)です。このプロローグは、私たちはこのノウハウを新しい形で表現しています。ラグジュアリーセグメントのモデルに最高のスポーツ性を融合させました。我々のチームはエクステリア、インテリアのデザイン共に新しいアプローチを行なっています」と述べている。

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■エクステリア
この2ドアクーペには、流れるようなエレガントな形状に加え、スポーティで力強いデザインが与えられている。そのフォルムやラインは非常に特徴的で、多くの新しいアイディアを採用。シンプルですっきりとしたインテリアは、ディスプレイや操作コンセプトを融合した新しいユニットになっている。インスツルメントパネルのすべての前面が大きなタッチディスプレイになっており、ユーザーインターフェースの一部は有機LEDのディスプレイを採用している。

コンセプトカー、プロローグのボディサイズは全長5.10m、ホイールベース2.94m、全幅1.95m、そして全高1.39mで、現行のA8より少し短く、低めのフォルムだ。低いフロントエンドはフォーリングスを擁するシングルフレームグリルだ。ラジエターグリルはこれまでより横方向に拡大され、より低い位置になっている。

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切れ長でV字形状をしたヘッドライトは、その先端がシングルフレームグリルにかかるように配置されている。ヘッドライトには高解像度のマトリックス・レーザー技術を採用。ヘッドライトの瞳孔にあたる部分はレーザーライトを使ったプロジェクションレンズでできている。このエレメントのすぐ下にあるのがクラスファイバーの束から光が供給される5個のプラスチックレンズで、これらはハイビームに使用される。この新しいレーザー技術により、非常に軽量でコンパクトでエレガントな、瞳のような形状のフォルムを作り出している。

Audi prologue

ボディサイドは、流れのように前進感のあるシルエットだ。フロント、リヤのホイールは強調され、これはアウディ・クワトロのDNAを明確に意識したものだ。ホイールは22インチサイズ。装着されるタイヤサイズは285/30R22。

プロローグの特徴的なデザインのポイントは、フロント、リヤともにホイール上の膨らんだブリスターだ。1980年代のオリジナルのアウディ・クワトロのブリスターフェンダーを採り入れ、クワトロであることを表現している。

ドアミラーは、小さなアルミの彫刻作品のようだ。シェル形状のミラーハウジングはウインドー側のはめ込み部品に向かって流れるように一体化。ドアにはハンドルは存在せず、光るセンサーにタッチするだけで電気機械式ドアは開く。

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プロローグの多くの部分はアルミニウム材と超高強度スチール製だ。ウインドゥのフレームはマット磨き仕上げのアルミトリムストリップ。低いルーフドームの後端部分でウインドゥのフレームはアルミニウムのCピラー形状に変化している。このクラフトマンシップ的な仕上げは手作業のように美的な品質を表現。これによりCピラーがあるにも関わらずウインドーの位置を下げることができる。ボディ右サイドには燃料タンクリッドが一体化されている。これは電気式で開くメカニズムになっている。

3Dガラスを使用した画期的なLEDリヤライト・デザインにより、テールライトもまったく新しいデザインとなっている。横長のテールライトは車両の横幅いっぱいに伸び、その終端は、ライトが浮き彫り加工されている。3Dガラスによりライトの中央で光が浮かんでいるように見える。ブレーキランプはライティングユニットの奥深くに位置し、ブレーキを踏んだ際には、3D構造の一番底部も光ることで見る者の方にライトが近づいてくるような印象を与える。この階層の違いを利用した光や、2Dと3Dのライティング機能を切り替えることで、テールライトはまったく新しいダイナミックな光を実現している。

■インテリア
プロローグの広い室内はラグジュアリーなラウンジ感覚とし、スポーティなドライビングからリラックスしたツーリングまでが楽しめる空間としている。インターフェースはドライビングモードに合わせてビジュアルが調整される。このインテリアは構造と操作コンセプトが一体になって一つのユニットを形作っているのだ。ディスプレイと操作類のパネルはインスツルメントパネルとセンタートンネルのコンソールに一体化されている。

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乗員がプロローグに乗り込む時には、「バトラー」と呼ばれる革新的なソフトウェアが乗員のスマートフォンを認識し、シートポジションと空調をそれぞれの好みの設定に自動で調整される。またシステムはオーナーの好みに沿って音楽やルートプランの提案も行う。

エレガントなインスツルメントパネルには新しいコンセプトのディスプレイと操作コンセプトが組み込まれている。インスツルメントパネルの前面は、3タッチディスプレイを組み込んだ室内幅いっぱいのディスプレイ面で、ステアリングホイール左側のドライバー専用ディスプレイは、ライトやアシスタンスシステムの操作に使用。右側のドライバー専用操作ユニットはメディア操作用。助手席の前にはインスツルメントパネルの前面に一体化されたワイドスクリーンディスプレイが広がる。これにより簡単にエンターテイメント機能を操作することができる。

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またこの新タイプの助手席用ディスプレイは、ドライバーと助手席乗員とのデジタルコミュニケーションができる。同乗者がワイプのジェスチャーをするだけで、あらかじめ検索したルートをドライバーのディスプレイに送り込むことができるのだ。

センタートンネルのコンソール上に4つ目のフレキシブル・タッチディスプレイが配置される。これは空調の操作、手書き文字の入力、その他の車両セッティングに使用する。このディスプレイは薄い、曲げることのできる有機LED(OLED)でできており、コントラストのはっきりした非常にシャープなイメージを映し出すことができる。使わない時には、OLEDディスプレイはセンターコンソール表面と同化し、ほとんど見えなくなる。車両が発進するとフレキシブルディスプレイが立ち上がる。ディスプレイを操作する時は、低い位置にある8速ティプトロニックのギヤセレクターレバー上に手首を乗せて操作することができる。

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アウディバーチャルコクピットと名付けられたドライバー用の表示はデジタルコクピットの未来を垣間見せる。高解像度のディスプレイと3つのミラーにより、3レベルでバーチャルステージを表示し、視覚的な深さを持つ表示が得られる。第1レベルはナビゲーションビューで、ドライビングに重要な情報が、第2、3レベルはコクピットで必要な情報が表示される。情報を別の階層構造に分けることで、ドライバーはより理解しやすくなる。またこのアウディバーチャルコクピットのコンテンツとカラーはドライビングスタイルによって変化するようになっている。

インテリアのカラー、トリムに天然素材しているのは新しいラグジュアリーの表現だ。ショーカーのすべての素材は天然素材である。シート、ダッシュボード、センタートンネル・コンソール、アームレストなどの表面は、明るいパッションレザーで覆われている。これは、動物の皮革の自然な風合いを強調する新しいソフトなレザーだ。

シートバック部分とリヤ座席のサイドパネルトリムは、同様に明るいバックレザーで覆われている。インストルメントパネル部は暗めの「パッション」レザーで、アルミニウムのトリム、シルバーグレーのエルムウッド と好対照をなしている。

■エンジン、シャシー
搭載される4.0L・TFSエンジンは、605ps/700Nmを発生。ドライバーの意思で15秒作動するオーバーブーストモードでは、トルクは750Nmに増大する。このツインターボV8エンジンにより0-100km/h加速は3.7秒。

総合燃費は100kmあたり8.6L、CO2排出量は199g/kmだ。この高効率に貢献しているのが、新しい48Vシステムだ。これは近いうちにアウディの市販モデルに採用される技術で、ベルト式スターター兼発電機によよりマイルドハイブリッドが構成される、ブレーキ時には減速エネルギー回生により最大出力は12kWとなる。また8速ティプトロニック、トルクベクタリング、フルタイム4WDを備えている。

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シャシーは、ダンピングコントロール付きエアサスペンションを備える。これにより最低地上高も可変設定できる。フロント、リヤサスペンションは軽量な5リンク式。またプロローグは4輪操舵システムを備えている。これにより低速域ではより俊敏でスムーズなコーナリングが可能になり、高速域では車両の応答性を良くすることで安定性が高められている。この新しい4輪操舵システムはリヤホイールの操舵角が最大5度の角度と大きいのが特徴だ。

 

アウディAG公式サイト

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