【アウディ】アウディS6試乗記 先進技術から生まれる新しい走り

マニアック評価vol177

ドイツ・プレミアム御三家のひとつ、アウディは、BMWやメルセデスとは異なる技術的なアプローチを持つ。そういう印象がある。今回試乗したS6は気筒休止システムと4輪トルクベクタリングを持つ、先端のモデルだ。ちなみにアウディのSモデルとは、通常のAモデルのハイパフォーマンスモデルで、アウディにはさらにチューニングレベルの高いRSモデルも存在する。なお今回の試乗レポートではボディ全体の分かる写真は、あえて掲載していない。そのクールなデザインがより実感できる動画で確認してみてほしい。


今回試乗したS6が国内デビューしたのは2012年秋。V型8気筒4.0Lツインターボエンジンを搭載し、低負荷時には4気筒が休止するシリンダーオンデマンドシステムが採用されている。またトランスミッションは、ボルグワーナーが開発したDCTの7速Sトロニック。最高出力420ps、最大トルク550Nmを発揮し、0-100km/hを4.6秒で加速するスポーツセダンだ。さらに専用チューニングされたアダプティブ・サスペンションや、後輪左右の駆動力を路面状況に応じて可変させるスポーツ・デファレンシャルを装備する。さらに、車速にあわせてギヤ比を変化させるダイナミックステアリングなどを標準装備したS6は、傑出した運動性能を持っていると言える。

気筒休止システムを採用。0-100km/h加速は4.6秒

試乗に際しては、これらの先端技術がどのように制御され、そしてそれがどう心地よいドライビングフィールをもたらしているのかを感じてみたい。まずエンジンの気筒休止についてだが、作動条件は、3速以上960rpm〜3500rpmで作動する。その他の詳しい作動条件についてはこちらの記事を参照して欲しい。

実際の走行では気筒休止をすると、エンジンの振動、騒音が増大するというデメリットがあるが、それについては、アクティブノイズコントロール(ANC)で対応している。室内を騒音マイクで集音し、スピーカーから逆位相の音波を発生させることで騒音を相殺する手法で、あまり走行中にノイズを感じることはない。

そしてトルクやパワーの変動では、全気筒作動再開するのに0.01秒〜0.04秒というタイミングであるため、体感することはない。もちろん、休止のタイミングではスロットルをゆるめ、あるいはクローズしたときに休止するため、出力変動は分からない。こうして100km/hを維持した場合、燃費は10%向上し、エンジンスタート/ストップシステムを加えると総合的な燃費向上は12%に達するという。

試乗コースとなった箱根のワインディングを走行して、先端技術が使われていると体感できたのはトルクベクタリングだろう。

コーナリング中にアクセルを踏み込み、旋回速度を上げるとリヤ側が動くのか、よりイン側へと回頭する。慣れていないとハンドルを切り戻すことになるほど回頭性が上がる。

従って、フィールとしては期待値以上に回頭性が高くなるため、リニア感には欠けるが、安定性を高めつつ、高速側にシフトすることなので、イヤなフィールではない。このあたりの制御の洗練され方と先進性に、アウディSモデルらしさがあるのかも知れない。

またこのフィーリングは、クワトロによる前後のトルク配分、4輪コーナリングブレーキによるブレーキ制御、そしてスポーツ・デファレンシャルによる後輪左右への駆動配分変化が絡み合い、どのシステムによる変化なのかははっきりとは分からないが、BMWやメルセデス・ベンツのコーナリングとは、質の違いを感じられた。

インテリアはエクスクルーシブで、高級感があり、上質な室内空間を持つ。こうした質感の高め方はドイツ・プレミアム御三家ではアウディが一番上手いと思う。メルセデス・ベンツは2012年のCクラスマイナーチェンジ辺りから急激に質感の向上が見られるが、BMWは相変わらずそっけない。アウディのこうしたオーナーを喜ばせるツボを押させた仕上げ方はさすがという感じだ。

レザーとメタルの使い方などアウディのインテリアはドイツ御三家で最上級

 

アウディS6主要諸元

アウディ公式サイト

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