スズキ 米中の影響が軽微な決算でインドを中心としたグローバル規模での成長への期待感は大きい

スズキは2025年5月12日、2025年3月期の決算を発表するとともに次期2026年3月期の見通しを公表した。

2025年3月期の決算では、売上高は前期に比べ4676億円増の5兆8252億円、営業利益は6429億円となり、ともに過去最高となった。そして営業利益率は11%と、業界でもトップレベルになっている。

4輪車のグローバル生産は329万6000台、グローバル販売は324万台となっている。販売面では、グローバルで+2.3%増、日本(71万8000台)では+6.4%増、179万5000台を販売したインドは+0.1%、インドを除くアジア地域(18万4000台)では+3.6%、中米・アフリカなどの諸国は32万4000台で+13.1%となった。一方で、ヨーロッパは22万台で、イグニス、ジムニーの販売終了など車種が減少したことで-6.9%となっている。

日本では71万8000台を販売し、軽自動車は58万5000台で軽自動車シェアはトップとなり、普通車は過去最高の3万3000台となっている。

主力市場であり主力生産拠点のインドでは179万5000台という販売台数で、そのうち約20%~30%がCNG(圧縮天然ガス)エンジン車となっている。またインド工場からの輸出は33万台におよび、輸出先は東南アジア、オセアニア、アフリカ、南米、中東、日本で、さらに2025年からはインドで生産するEVのeヴィターラをヨーロッパ向けに輸出を開始する。

スズキにとってインドは最大の生産拠点であり、速やかに年間400万台生産体制の構築を進め、EVの生産もインドで行なうことでメイドinインドの方針を強化していくことになる。

2026年3月期の見通しは、売上高は4.7%増となる6兆1000億円、営業利益は22.2%減の5000億円、営業利益率は8.2%としている。つまり増収・減益を見込んでいるのだ。減益の原因は為替の変動による影響、研究開発への投資、原料費や固定費の増大によるものだ。

しかしながらスズキは、トランプ関税の影響も軽微であり、中国市場での日本車の癖も無縁という日本の自動車メーカーの中でも特異な存在感を示しており、グローバル規模での成長の期待感は大きいということができる。

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