EVラリー 乗鞍スカイラインを走ったぞ~~編集長 高橋 明談 最終回Day3 ドライブマップ付

連載最後は乗鞍スカイラインを走る日。ここまで読み続けて頂いたみなさんに感謝いたします。引っ張り過ぎだ!というご意見、ごもっともです。
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自家用車では絶対に走ることができない、マイカー規制中の乗鞍スカイライン。電気自動車であれば・・・ということなのでしょう、各方面の許可を得て、ジャパンEVラリーは走破したのでした。その時の絶景がこれ。

素晴らしいワインディング
素晴らしい景色の乗鞍スカイライン

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朝7:00に集合したEVパレード参加車両

最終日、朝は7時に集合し、EV車が隊列を組んで出発の時を待つ。事務局のスタッフはバタバタと慌ただしく動き回わり、取材人も増殖してきている。地元のTV局も取材しているから、やはり注目度の高いイベントなのだろう。タカハシがプロデュースするラジオ番組FMヨコハマ「ザ・モーターウィークリー」のDJとディレクターもこのメインイベントには間に合った。

DJの藤本えみりさんは東京からゴルフGTE(PHEV)をドライブしてきた。「マイカーか?」と思わせつつ、空気を読んでVGJからお借りした広報車両で参加。

集合場所の五色ヶ原入山口の駐車場では、顔見知りの編集やライターたちがこれまでにも増してたくさんいる。ふっと気づいたのだが、、ゆるキャラがたくさんいるではないか!この手のイベントには欠かせない華だ。おじさんたちも照れながら、記念写真を撮っている。

舘内代表とミナモちゃん
舘内代表とミナモちゃん

乗鞍スカイラインは先導車について、隊列を組んで走行する。パレード走行なので、ゆっくりと登るという説明。沿道に小旗を振って応援するギャラリーはいないものの、窓を開けて手を振ってみたくなる。応えてくれるのはゆるキャラたち。おじさんもニコニコの笑顔で、

いよいよ出発だ。

さて、BMWi3は、充電用のエンジンを搭載している。ということは、途中エンジンがかかってしまうかもしれない。それはまずい。せっかくの無音のパレードが台無しだ。いやいや、そんなことはバッチリ事務局も把握していて前日に、「たっぷりと充電をしておいてくださいね」のご忠告もあった。だから、よもやパレード中にエンジンがかかることはない筈だ。

■日本で一番高いところを走る道路

たくさんのゆるキャラに見送られたEVパレードは、マイカー規制の看板を横目に乗鞍スカイラインへとハンドルを切る。

標高があがるにつれ、次第に雲が眼下になり、日本一高い場所を走る道路だということを実感する。標高2700m越えの高さで急激に登れば高山病にもなる高さらしい。

非常に似合うと思う
FMヨコハマ「ザ・モーターウィークリー」DJの藤本えみりさん。非常に似合うと思う。なんだコレ?!

ラリー隊はゆっくり、ゆっくり登るので景色も堪能できる。

なんだか楽しそうなオレ
なんだか楽しそうなオレ。不安を口にするディレクターと底抜けに明るいDJ藤本えみりさん

同行したラジオ番組制作ディレクターは「私、過去に高山病の経験があって・・・」と。このイベント参加に少々ビビッていた。「ええっ?ギャグ?」

途中景色がいいので、記念写真を撮りたい衝動に駆られるものの、ラリー隊は上り続ける。
ゴール地点は畳平駐車場というところで、気温がかなり低い。
下界の奥飛騨は真夏の日差しで27度ほどあったが山頂では15度程度。それでも快晴の空からは強い紫外線を浴び、日なたは暖かかった。

地元のガイドによれば、年に数回しかない好天だそうで、かなりレアケースということだ。平均年齢の高い参加者たちは、口々に「俺の日頃の行ないのお蔭だな」を口にする。

畳平駐車場に到着
畳平駐車場に到着

山頂では全員で記念写真を撮り、1時間ほど滞在した。畳平駐車場には観光バスが運行しているので、お土産店などもあり、それなりに、観光客の数はいた。

折角なので、高山植物の解説付きガイドツアーにも参加し、30分ほど徘徊。いや、ゼイゼイすることもなく散歩。ガイドさんは、地面にへばりつく植物のひとつひとつを丁寧に説明してくれる。普段、花に目を向けることが乏しいタカハシだが、このときばかりは地面に生える高山植物を見つめる。時にはしゃがみ込んでもみる。しゃがんで、立って、歩いて・・・いい運動だ。

■下山からのゴールへ

「乗鞍スカイラインを自家用車で走る」という一大イベントの意義は大きく、貴重な体験をしたことは間違いない。現に、地元TV局からは走破した感想のインタビューを受けている人もいたくらいなのだから。

さて、登頂したBMW i3のコンディションを見ると、乗鞍スカイラインは全長14kmだから、いかに登り坂といえどもエンジンは一度もかからずEV走行で登り切った。到着した時点では残量が40%程度と余裕だ。

帰りは登ってきた道を引き返す。登りと下りでは見える景色も違って、乗鞍スカイラインを二度おいしく堪能させてもらった。

出発地点の五色ヶ原入山口に戻ったらバッテリー残量は75%程度までに回復していた。回生エネルギーで充電していく様もEV車の愉しみでもある。

下山し次なるタスクは最終目的地の高山まで午後2時までに行くことだ。

でも、まだ午前11時。あと3時間と余裕がある。奥飛騨温泉郷から高山市までは1時間あれば着く。そこで平湯バス停に戻り土産物屋で名物を探す。
と、「飛騨牛入りコロッケ」という看板が目に入る。「どこまでコロッケ好きなんだ」と思いつつ、のぞき込むと、飛騨牛コロッケはなんと230円というプレミアムなお値段。「旅行」というマジックがなきゃ絶対買わない値段だ。いや、「取材」だが。がしかし、買ってしまった。

「旅行」いや「取材」という二文字が自分の平衡バランスを崩している。飛騨牛入りコロッケは旨い。長芋コロッケの負けだ。(長芋コロッケとはDay1をご覧ください)

ソフトクリームも食べた。足湯につかりながら、ソフトクリームを食べる。これも旅行の醍醐味だ。いや、取材だ。しつこい。

ゴールの高山に到着すると、EV車の試乗会が開催されていた。そして建物の中ではフォーラムも行なわれていて、いろんな情報交換があり、「自然豊かな環境にはEVがむいているなぁ」という印象を持った。スイス・ツェルマットなんて十年以上前から街中はEV以外乗り入れ禁止だし。(行ったことないけど)

■スーパースポーツカーBMW i8で帰路に

ここまでBMW i3と共にドライブを楽しみながらEVラリーに参加してきたが、あとは横浜の拙宅に戻るだけだ。その相棒となるのがBMW  i8にチェンジ!!小学館DIMEの廣田氏がドライブしてきたのだが、「僕はBMW i3にも興味があるので、そっちに乗りたいなぁ、タカハシさん交換しませんか?」

2500万円也の超高級PHEV。凄いことになった。往路は気ままにシタ道を走りながら温泉に浸かり、景色と名物を食しながら一人ドライブを楽しんでいたが、復路はi8をタカハシをドライブすることになった。

これはこれで、チョー嬉しいし、別な愉しみも体内から滾々と湧き出ててくる。

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右)小学館DIMEの廣田さんからi8を受け取り、復路をドライブ

帰り道は三連休最後ということもあり、「渋滞は必須だなぁ。折角のスーパーカーなのに渋滞?」と思いきや、夕方の5時過ぎまで岐阜・高山市にいたので、何事もなく走れた。

奥飛騨温泉郷に来るお客は年齢層が高く、きっと「夕方には家に戻って、あ~やっぱり家が一番、とか言いながら名湯旅行にも関わらず、家の風呂に浸かり、奥さんの手料理とビールという人が多いんだろう。そして奥さんは『なんでこんな日まで食事の準備しなきゃいけないの』とブツブツ言いながら「定年したら離婚してやる」と心に誓う、三連休最終日の夜。

日没間際の奥飛騨周辺の交通量は少なく、BMW i8は安房トンネルを超えて、上高地入り口の喧噪なくあっという間に松本まで戻れた。

廣田氏からBMW i8を受け取ったとき、「来た道を返るのもつまらないしなぁ」などとも思った。

地図を見ると高山から国道で南下すれば浜松に出るので、そこから新東名に乗れば、バヒュ~ンと横浜まで戻れるルートがあることに気づいた。だが、そこまでのルートがすべて一般国道。地方の国道は時として異常に狭いこともある。

「おい、マジかよ、ここ本当に国道なの?」という場面に幾度となく遭遇している。そしてドライブするのは、2500万円の高級車。。。横幅は2m近いし、車高も低い。コンビニの駐車場に入るにも気を遣うほど地を這っている。

タカハシの選択は、「来た道を戻る」だった。かなり意気地のない判断なのだが、岐阜・高山市から松本を抜け、中央速で帰るルートはトイレの場所までタカハシの脳裏にインプットされている安心のルート。ウソだが。細心の注意は安房峠から松本までの狭い国道。ここをゆっくりと松本まで戻れば中央高速に乗れ、簡単に帰路となる。

これまで高速道路は時間を短縮するために高いお金を払っていると考えていたが、こうしたクルマに乗ると、高速道路の別な価値を感じるのだった。でも普段は乗らないけど。

そして最後の最後、松本ICの近くで温泉を探し、浅間温泉というのを探して入湯した。往路を戻るという苦渋の選択への反逆だ。意味不明。

ここは泉質の特徴が分かりにくく、銭湯のような施設ということもあり、まぁ、中央高速大月付近の渋滞回避のための入湯ということで。その後は夜の10時ごろに諏訪、八ヶ岳付近を走行していたので、三連休最終日の大渋滞にも合わず、すんなりと帰宅できた。

こうして3日間のEVラリーは終了し、電気自動車のことをじっくり考える機会をもらったのだった。ペロ。
PS:ドライブマップはグーグルの地図を利用していますが、乗鞍スカイラインは一般車両が通行できないためなのか、ドライブルートとして登録できませんでした。

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