クルマと過ごす日々vol.83

今回は軽いノリです。

日本の税制問題から軽自動車が大人気で、もはや国民車と位置付けてもいい販売台数。全体の50%に近い数字になる軽自動車市場ですが、都心部ではそれほどではないですが、地方へ行けばもっとKカーの占める割合は増えてますよね。

クルマを所有すること自体が贅沢になってしまった日本は、どこかズレてます。途上国ならいざ知らず、先進国でこの状況は悲しい現実ですね。登録車も軽自動車レベルの維持費になれば、もっと違った展開になっていたでしょう。

自工会の会見で豊田章男会長は13年保有した時に払う税金は、米国の30倍だと話します。とんでもなく高いです。こんな現実はなんとかして欲しいという要望は政府に何度もお願いしているそうです。ありがたい。そして2019年の平均保有年数が15.3年、1990年は8.8年だったそう。仮に保有年数を3年短くすると、125万台増え、年産650万台に増える。その結果1.1兆円税収入が増えるそうです。もちろんGDPも向上します。

つまり、クルマを買いやすく、保有しやすくすると台数が増えて税収が増えるわけです。そのためには現在のクルマを保有するための税金を安くする必要があるというわけです。

ガソリンや高速道路もそうですが、クルマを使う人が負担すべき論がありますが、それは近視眼的すぎるわけで、マクロ的視野からすると的外れということがこうした試算で分かるわけですね。

タカハシといっしょにFMヨコハマでパーソナリティをしている山下麗奈さん

現在、もっとも売れるカテゴリーはKカーです。となると、カーメーカーも力を入れて開発します。ダイハツは「良品廉価」を掲げ、Kカーを広く一般に提供しています。「タフト」に試乗しました。もともと軽自動車って、「アシ」であり、ライフラインでしたよね。地方であれば、おねいちゃんの通勤、お母さんの買い物といった使い方。

しだいにKカーの性能があがり、アシから1stカーへと変化してきています。家族で出かける、ドライブを楽しむといった使い方が増え、タフトはキャンプとか、アクティブにアウトドアへ出かける相棒として個性を発揮しています。

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ナイスkicks

日産キックス。e-POWER搭載です。e-POWERがデビューするとき、ノートのプロトタイプに試乗しました。その時、搭載バッテリーが小さいので、すぐにエンジンがかかる。だからエンジンで走っているような制御になっていました。アクセル開度とリンクしてエンジン音が大きくなり、違和感がありません。

キックスはその真逆の制御です。システム自体は変わりなく、制御の変更でここまでEV車のようになるのかと感心。開発エンジニアもとにかくエンジンをかけないように注力して開発したといいます。

低速では車内が静かですからエンジン音が目立ちます。そこでエンジンをかけない制御にして、スピードが上がればロードノイズや風切音も出てくるので、エンジン音が目立たない。そうしたことを踏まえての制御は見事です。

モーター走行の特徴を活かしたレスポンスやトルク感もあり、パワートレーンに文句はありません。Bセグメントですが、ノートよりはだいぶ大きく感じます。そしてはやりのSUVですから、最新トレンドを詰め込んだ新型車と言えます。これもお勧めの一台。

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新型レヴォーグのプロトタイプ試乗。JARI試験場でアイサイトXを試します。新型レヴォーグに関してはたくさん記事を書きました。どこをとってもレベルの高い出来上がりで、車両に対する不満は特にありません。

一方で、この環境性能を訴えるモデルが多い中、新環境エンジンのCB18型だけのラインアップで良いか?という疑問はあります。が、いずれハイブリッドやプラグインも出てくるのでしょう。でも同時に発表してほしいなぁと思います。価格はまだ発表されていませんが、これも間違いのないお勧めの一台でした。

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この写真はフィアットパンダにパナソニックの新型ゴリラを取り付けた写真です。PNDを侮れない性能で、求める性能がナビ機能であれば、これで十分です。イタ・フラはちょっと前までナビがないモデルが多く、このパンダも現行モデル。でもナビはそもそも設定がありません。全部後付けになります。

Aセグメントですが、軽自動車より室内の広さや荷室容量は狭いです。ですが、所有するクルマがデザインされていない四角い箱ではつまらない、というのがラテンですね。ファッションもそうですけど、「おしゃれ」が最優先されます。日本は「便利」が優先?でしょうか。

だから欧州の人はワンボックスは水道屋が乗るクルマらしく、日本はなんで水道屋がたくさんいるんだという皮肉ギャグを飛ばすわけです。

パンダ。実用性は高くないけど、エンジン(2気筒マルチエア)も含めてセンスを感じます。「おしゃれ(ファッション)はガマン」という名言がありますが、まさに。

量販モデルという使命、タスクを背負っててもここまでデザインされたモデルが出てくるセンスが羨ましい。もちろんそれで売れるんですから、買う方のセンスもさすがなんですねぇ。

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自動車技術会
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