最近特に気になることは「クルマの価値」です。マツダのCX-30を使った体験取材会というのがあり、そこでは車両評価の試乗会ではなく、クルマを使った体験を取材するという、一風変わった試乗会をやっていました。
マツダCX-30体験取材会 クルマがあってよかったなぁ妄想・親子旅行 篇
以前からクルマの「走る」「曲がる」「止まる」の基本性能は、もはやあるレベルでカーメーカーが担保している性能であり、今は、その先に何があるか?という時代になったといいうことを書きました。
クルマと過ごす日々vol.76
それがADASであったり、常時接続によるネットワークだったりするわけで、電動化と合わせて進化している分野でもあります。そしてロールスロイスのゴーストがモデルチェンジを行ない、「脱・贅沢」をキーワードに華美な装飾で豪華さを競う時代は終わったというクルマ造りをしてきました。関連記事:ロールスロイス 新たなラグジュアリーの頂点 脱・虚飾を目指した新型「ゴースト」がワールドプレミア
我々は、今、クルマが持つ魅力、価値がどんどん変わってきている時代の目撃者ということなんですね。
さて、アウディQ3に乗りました。2代目となったQ3のパワトレは1.5Lガソリンターボと2.0Lディーゼルの2つ。500万円以上します。あちこちから聞こえるジャーナリストたちのヒソヒソ話。「1.5Lでモーターもないのに500万の価値ある?」という声。排気量と値段はかつて評価のひとつでした。しかし、いまは、ドライバーが求めるパワー/トルクが価格に見合うか?に変わってきています。
時代の変化についていかねば。
フェアレディZのコンセプトモデルがお披露目されました。WebもSNSも黄色いクルマ一色になった日もありました。自動車メディアは大騒ぎです。V6ツインターボ マニュアルトランスミッション。S30をオマージュしたデザインコンセプトですが、間も無くデビューするような勢いの騒ぎ方です。
もちろん、北米を強く意識したモデルで、大きく落ち込んでいる北米マーケットを復活させるためのプロパガンダ的扱いです。ドル建てでの社債を発行し、現金獲得に必死の状況ですから、自動車メディアも協力して、盛り上げていきます。
年配者はADAS系の説明がないことと(デザインコンセプトモデルだから)、MTミッションというだけで「クルマは人が運転してなんぼ」といった懐古主義的興奮を訴える人が多いですが、若い世代からするとマニュアルトランスミッションは新しい価値ですね。なにせMTを知りませんから。これをきっかけに運転する楽しみを知ってしまうのはいいタイミングかもしれません。
さあ、新型フェアレディZはどんな新しい価値を提供してくれるのでしょうか。楽しみです。おっさん達を満足させ、さらに新しい世代にも響く価値は何?期待しましょう。
だいぶブログをサボっていたので、この先は頑張っていきますが、月末で編集長を退任、そして会社も退社します。以後はフリーのジャーナリストとして活動しますが、このコラムが残せるのか微妙です。なくなってしまったら、どこかでまた呟きます。それまで一気に吐き出すぞ〜引き続きよろしくお願いします。高橋明