クルマと過ごす日々vol.76

感染することもなく自宅作業を続けているタカハシです。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。妻以外に接触した人物は4月20日から数えて14日目にラジオの制作メンバーに会いました。それまで濃厚接触者はゼロを継続しました。

家にずっといて、時間ができると「断捨離」しますわな。仕事部屋が常駐するスペースとなるため、不要品の整理が始まります。収納スペースが少ない家なので、断捨離連鎖が起こり自分のものだけでは処理し切りれず家内を巻き込みます。

「なんでこんなものいつまでも持ってんの!」という指摘を受け、逆に指摘するとキレます。取り扱い要注意なゴールデンウイークになりました。

取材がない、ということはある意味時間が取れるわけで、これまで取り組めなかったこと、敷居が高いもの、なんとなく敬遠していたことにも手を出せますよね。

小難しい話

じつは、自動車が大変革期にきていることはすでに皆さんご存知だし、ジワジワと変化していることも実感していることと思います。例えば電気自動車を買った人が周りにいるとか、ACC(自動追従)が高機能化し、同一車線であればクルマ任せで問題ないことを体感していたりです。

その変革の中、当事者である自動車関連企業は「破壊的な変化から生まれてくる市場機会を見極めることが大事である」という領域に来ています。なんのこっちゃ?と思うかもしれませんが豊田章男さんの「ウーブンシティ構想」はわかりやすい例です。

われわれ自動車好き、マニアは、これまでクルマそのもののデザインや性能、ハンドルを握っての官能性に魅力を感じ、運転することの楽しさ、自由さ、そして競争することの面白さに浸ってきました。またそうした魅力をお伝えするのが仕事でした。

そうした魅力ある車両はこの先も造り続けられるはずですが、そうした魅力をクルマには感じないというのが一般的であり、クルマは愛車だけど移動手段でもあるわけで、ツールという答えも間違っていません。つまり破壊的な市場変化は、こうした愛車とは別な場所で起きています。

どんな変化が起きているのか。それは開発プロセスが大きく変わり、これまでのクルマづくりとは180度変わったことなのです。そうした深層領域に踏み込むには、学習が必要でこのGWがいい機会になり少しトライしています。自分の脳でのニューラルネットワークの強化が必要になるのだと。

簡単に言えば、クルマはこれまでハード部品で構成され、それをどうやって動かすか?という思考で開発しています。動かすためのコンピュータはアクチュエータを使って、ソフトを使ってハードを動かします。その昔は、機械だけで「動く」という物理現象を作っていました。がしかし、今は、開発のベクトルが全く逆になりました。

AI in the Loop。AI(人工知能)をつかってシミュレートする、といった開発です。もちろんいまはそうした開発は最先端かもしれませんが、あっという間に常識化します。

われわれ編集記者、モータージャーナリストはそうした変化を理解しなければ、正確な情報は出せなくなるし、「趣味、嗜好品」を伝えるだけでいいわけがありません。それでは信憑性も劣るし、ジャーナリストと呼ぶにはあまりに貧弱になってしまい、仕事としての需要は限りなくシュリンクした世界だけになります。

それはさておき、クルマは自動運転となり、空も飛ぶようになります。それはいつか?はわかりませんが、夢でないことだけは確かです。Waymoを設立したセバスチャン・スラーン博士は今、フライングカーを研究しています。

狂った発明家ではなく、スタンフォード大学で教授をし、科学者、教育者、発明家、そして起業家でもあるスラーン先生は5年以内に全ての人がAIを使う時代が来ると言ってます。ビジネスリーダー、会計士、農業従事者、プログラマー、医療分野などを例に上げて話をしています。

とりわけUdacity(ユーダシティ)のような学習プラットフォームがある今、優れたエンジニアがどんどん誕生し、さまざまな企業で働くことになります。日本ではなんとマツダがこのUdacityに協力しており、そこで育った優れた人材をいち早く取り入れられる環境を作っていたのには驚きました。

最先端の車両開発は、環境を検出します。LiDARやレーダー、カメラを使いそして、位置情報をGNSS(全地球的航法衛星システム)で得て、それらのデータが車載されるスーパーコンピュータに取り込まれます。得られた情報は、認知、対象物識別、そしてデータの融合と評価を瞬時にアルゴリズムによって算出され、アクチュエータを介して駆動方式へ伝達されます。

今、立ちはだかる壁はその評価の妥当性だと言います。「それでいいのか?」ということですね。Tier2のdSPACEをはじめ、カーメーカーは研究している最中というわけです。いくつもの仮想3Dの世界が生成され、現実に即するかを研究し、自動輸送という領域に到達していきます。

こうした開発プロセスの早い段階で、センサーやアクチュエーターも含めたデータの妥当性確認が行なうのが、AI-in-the-Loopというわけです。情報がループして検証される仕組みですね。

つまり、開発初期段階でその車両の性能が見極められるということであり、開発者の狙い通りの車両ができるかどうかは、開発初期で判断できるわけです。こうしたクルマづくりがすでに始まっていて、そうしたプロセスから生まれた車両は市場に投入されていくわけです。

もちろん、嗜好性の高い車両ではなく輸送用なのかもしれませんが、こうした開発技術は当然われわれが大好きな嗜好性の高いモデルにも採用されるのは当然でしょう。そしてやがてやってくる大好きなクルマを評価をする機会を得るわけです。ですが、狙い通りできている車両ですから、なにを伝えていくのか?という課題は近い将来出てきます。

それには・・・ですよね。ではまたいずれ。

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