だんだん間延びしてきたスタッフブログ欧州取材編。更新はブログに対する責任感しか支えるものがないので、どうしても後回しになってしまう。雑誌と違いWebには〆切というのが、ゆる~く存在するだけなんで、こりゃ、タガが緩むんだわ。
お盆休みの現在、外部からの接触もないし、コチラからのアプローチも休止中。つまり手が空く。しばし、放置プレイだったブログを書くには絶好のチャンスというわけで、前回のドイツ編からいよいよフランスへ移動し、単独フランス旅行の始まり。まぁ、非日常が日常になるという、この上ない刺激の毎日が楽しめた話です。
ドイツでの試乗を終え、フランクフルトからパリのシャルル・ド・ゴール空港に到着。ちなみに、エアフラで往復1.98万円という安さ。東京-名古屋往復新幹線より安いことになる。
空港ではレンタカーを借りることに。
「お~い、イケメンのアニキ、クルマ借りてくれてありがとう。なんでもサービスしちゃうよ~」と訳のわからんことを言っているALAMO EUROPA CARのカウンターにいるアラブ系の兄ちゃん。やたらと明るい。ベラベラと話かけてくるのだが、これがあまり意味のない内容で、必死に言葉を聞き取ろうとしているのに、おかまいなくしゃべりまくる。
「予約しているタカハシです」
「もちろん、知っているよアニキ、もう着くころだろうと思ってたんだぜぃ」
「・・・・」
「クルマは、そこに用意してあるだろう。もう準備できているんだ、これにサインしてくれ」と書類をだされ、サインをする。確かにクルマはカウンターの目の前に止めてあるので、あながち嘘八百を並べているというわけでもなさそうだ。
「フランスはスピード違反が厳しいから、気を付けてくれよ、燃料はディーゼルだからね。注意してねアニキ~」とのたまう。どんな言葉遣いなのかは正確には再現していないが、まぁ、ざっくりと、こんな印象のレンタカー屋だった。
リクエストしていたのはフィアット・パンダだけど、用意されていたのはフォード・フィエスタ。1.0Lディーゼルで5MT。こいつを3日間借りて1000km走破した。笑ったのは、レンタカーの予約は日本からネットでrentacar.comというサイトから予約して料金が1.3万円ぐらい。で、あのお調子者の現地アラブ系兄ちゃんはキチンと書類を間違えてくれて、こちらからも請求がきた。これがなんと7900円。
安~い。3日間で1万円しないのだ。しかし、安いのはさておき、W請求とはけしからんので、文句を言ったら、EUROPA CARから振込で返金してくれた。当たり前か。いやいや、当たり前が当たり前でなくなるのが常識になる、いや非常識が常識なのか、混乱するが、フランスはそんな偏見で見るタカハシだった。
航空運賃といい、レンタカーといい、旅行しやすいようにできているなぁと思う。この値段なのに貧乏旅行とはまったく感じないし、普通な感じ。フランク-パリの距離はたぶん、東京-札幌?ぐらいか?レンタカーだって国内で3日も借りれば3万円前後はかかる。自由旅行よりツアーになっちゃうようなぁ日本の場合。
このフィエスタにはカーナビがないので、日本から持参の「ガーミン」を駐車場で取り付けて出発。ガーミンの使い心地は具体的にこちらで書いているので、興味のある方はどうぞ。このガーミンのおかげでどれほど楽に移動できたか・・・隠れ軍事技術なんだろうなぁ。。。
予約してあるホテルはビルジェイフという町のホテル。ガーミンの案内で無事2時間もかけて到着。普通は1時間はかからない距離だそうだ。。。非日常が日常になり・・・。
チェックインカウンターに行くと、ちょ~美人のおねいちゃん。イスラム系?ギリシャ?という感じでエキゾチックな顔立ちで、スリムな体型。体型まで品定めするとはタカハシの下品さも際立つ。写真撮るの忘れた。
部屋はキッチン、冷蔵庫がついた長期滞在可能なコンドミニアム。バスタブ付きで快適だ。料金は部屋単位なので、2名なら割安だけど一人なら日本のビジネスと変わらない値段。まぁ、電子レンジもあるし、包丁、お皿、コップはあるので、やる気になれば・・・ということだが、やる気にはならない。
さて、目的地はル・マン。そうル・マン24時間レースを見るためにフランスへ来たのだ。タカハシが見たもう一つのル・マンはこちらでレポートしてます。
道路事情は各国の事情があっておもしろい。フランスの高速道路はもっとも速い場所で130km/h規制。場所によっては110km/h、90km/hという場所がある。速度制限は奇数だ。フランス車のメーターも奇数表示が中心。フィエスタはドイツフォード開発なので偶数。そういえば日本車も偶数だ。なにか理由があるのか?規制速度が奇数区切りだから奇数メーターなのか。まぁ、どうでもいいけど、気になる人は気になるだろうな。そもそも、なんで奇数なんだ?とかなんで偶数なんだ?とか。タカハシの琴線には触れません。
その130km/h制限の高速を200kmほど移動するとル・マン市に着く。かつて、パリからル・マンへ行くルートは3車線の一般道路で、真ん中の車線はどっちの通行帯でもよく、追い越しの際に使用できる車線。これは初めて走った時は怖かった。当時、一般道とはいえ100km/hぐらいで走行するのが一般的で、飛ばしているクルマは130km/hぐらいは出しているんだと思う。それが、先行車に追いつくと真ん中の車線に出て追い越すわけだが、その時、対向車でも同じことがある。つまり、追い越し車線を対向車と共有しているのだ。
そりゃぁ、慎重になるんだけど、だんだん慣れてくると見極めが甘くなりがち、というか無理をしだす。「いっちゃえ~!」って。だから正面衝突の事故も多かったそうだ。速度が速いだけに悲惨な事故も多く、そのため、廃止になったという歴史があるそうだ。そりゃぁそうだ。対向3車線って意味わからない。奇数だし。非常識が常識で・・・うるさい。
そんな昔と違って今は快適な高速道路オートルートが整備されている。そして交通量が少ない。ル・マンの決勝の日でも渋滞なんてまったく無い。それなりの交通量へと増えるけど、渋滞しないようにコントロールできているのだ。
高速をずんずん走るとなにやら料金所らしきものが。これまで、欧州で高速道路代というのを払ったことは稀で、経験なくはないが、これほど立派な料金所をみたことは初体験かも。で、電話番号が書かれているようなチケットを引っこ抜き、再スタート。で、出口での支払いが困った。見てのとおり、クレジットカードは使えないのだ。こんな経験は初めて。なんでもクレジットカードにICチップが付いてからは、セキュリティが厳しくて読み取れないのだそうだ。笑い話のような本当の話。
仕方ないので、結局現金で支払う。ここはスムーズに払えた。しかし、フランスはクレジットカードの使えないところがまだまだ多いのだそうだ。観光客がたくさん来る場所では問題ないようだが、普通はキャッシュなんだそうだ。それと、銀行引き去りのカードなら使えるというが、フランスの銀行に口座なんか持っている観光客はいないから、結局キャッシュになる。ガソリンスタンドでも高速道路では使えるけど、町のガソリンスタンドではNGだったりした。つまり、空港、駅、高速などの施設はOKだけど町へ出るとキャッシュのほうが使いやすかった。まぁ、日本と同じぐらい現金を使うという感覚かな。
という日常を経験し、常識と非常識と非日常が入り混じったフランス旅行はまだ続くのでした。