4月の上旬にCX-5の試乗会を鹿児島でやるという案内をもらい、久しぶりに編集長と一緒に参加してきた。CX-5にはこの時点で、既に数回の試乗をしており、ある意味「またやるの?」という印象。それだけ、マツダとしてはジャーナリストやメディア媒体の人に、深く理解して欲しいという思いがあるからなのだろう。だから、遠慮なく鹿児島での試乗会に参加させてもらった。
試乗会っつうのは、通常、東京近郊で行われ、1時間程度の試乗を2?3回繰り返すというのが定番。これは排気量の違いや装着タイヤの違い、装備の違いなどがあるためで、同じクルマでも数回乗る必要があるのだ。また、都内のような大都市での日常使い、箱根のようなワインディング、また、高速道路と走るステージも違えば印象も変わるということで、いろいろなシチュエーションで試乗したいというのは、分かってもらえると思う。
CX-5は最初にプロトタイプというモデルをサーキットで試乗したのが最初。去年の11月だったと思う。その後、実際に発売され、ガソリン車だけで東京の芝、東京タワー近辺で試乗会があり、次が箱根でディーゼルも加えての試乗会というここまでで合計3回の試乗会があった。今回の鹿児島で4回目。
羽田空港に集合し各媒体が集まり、団体で飛行機移動し鹿児島へ向かうという段取り。タカハシも集合時間の9:20に間に合うようにリムジンバスに乗ったのだが、バスの最大の欠点、時間通りに着かないというアクシデントが発生!
バスの車内から編集長にメール。「おはようございます。もう到着されました?ちょっと遅れそうです。すみませんがマツダの人に伝えてください」と、この時点ではかなり余裕のあるメール。
編集長から「了解。何時に着く?」
「今、横浜公園付近なので、9:40には着くとおもいます」と返信。
「出発は10:15だから、大丈夫だろう」というメールをもらい、ひと安心。だが、首都高速が思いのほか動かない。通常の通勤渋滞のようにノロノロと動かないのだ。
「ちょっとヤバイっす。動きが悪くてギリギッリになりそうです」
「了解」と受信。それにしても動かない。だんだんあせってくる。
いや?なカンジがこみ上げてきて、そう、急におなかが痛くなってトイレを探している心境。さらに、やっと見つけたトイレなのに使用中で、あとは、ケツをギュッと閉めで我慢するという、あのいや?なカンジになってきている。
「間に合わないかもトホホ」と送信
「了解。マツダは次の便を手配するって」
「なんと!やさしい。マツダ様ありがとう」あわててトイレに駆け込み、用を足したら紙がなく、が?ん!かばんをあさったらポケットティッシュを発見!という心境とオーバーラップする。しないか。
そうなると、グッと青ざめていた顔色も落ち着き、音楽なんぞを聴く余裕も出てきた。すると、渋滞が一気に解消。事故直後だったらしく、一旦通行止めにして車両を片付けるという作業をやっていたようだ。通行止めが解除されれば、横浜から羽田空港まではあっという間。実は10:05に羽田に着いちゃったのだ。となると、あと10分で出発なので、今度は登場口へと走る。マツダの方へ遅刻のお詫びもそこそそに空港内をダッシュ!手荷物検査も受けつつ、ダッシュ!
搭乗ゲートまで息を切らせてゼイゼイしていたら、ベンチに座っている編集長発見。「なんだ、間に合ったじゃん」と声をかけてきた。
「ええ。なんとか。でも、編集長なんでここにいるんです?あと5分で出発ですよ?」
「それが機体の到着が遅れたとかで、出発が遅れてんだって」
が?ん!
なんのこっちゃ。というわけで、無事団体行動に溶け込むことができ、遅刻したことはなかったかのようにみなさんと一緒に機内へ搭乗することができたのだ。
さて、鹿児島についてからは試乗。目的地は指宿。霧島周辺をドライブし、高速道路も走り、指宿スカイラインというワインディングも走り夕方4時頃までに宿泊先に到着すれば、どのルートで走ってもOKという試乗をしてみる。クルマのインプレッション記事は編集長が書いているのでここを読んでいただきたい。
途中、景色のいいところで記念写真を撮りながらCX-5をドライブ。ロングドライブをしたときの印象や疲れ方なんかも通常の試乗会では感じられないので、そのあたりも意識しつつ、名勝を堪能。
目的地の指宿にはほぼ時間通りに到着し、部屋へチェックイン。指宿の名物、砂風呂を初体験できるかも。なんて完全に旅行気分のまま館内を案内され、温泉風呂の場所も確認し、旅館のレイアウトを覚えていく。かなり大きな旅館でフロントから部屋までだいぶ歩く。途中、中庭を見ながら、廊下の反対側の窓には鹿児島湾の海を眺められる。
↑桜島と鹿児島市を眼下に眺める指宿スカイライン→篤姫ゆかりの地、薩摩今和泉駅の前で記念撮影
そうこうしていると、夜の懇親会の時間に。夕食をマツダの開発陣の方と一緒に採り、印象などを語り、開発秘話的な話も聞くというのが、この手の試乗会。丸い大きなテーブルに媒体数社とマツダの開発陣が交互にすわり、CX-5を肴に宴が始まる。
当然、お酒も出てくるので、だんだん声はでかくなるし、冗談なのは本気なのかという微妙な、際どい発言も飛び出す。それぞれのテーブルで盛り上がり、宴の華は咲く。
そこで、そこで。マツダの人はとにかく熱い!クルマへの熱い想いがひしひしと伝わってくる。それが開発したエンジニアだけでなく、マーケティング、広報、メンテナンススタッフなどそこにいた全てのマツダ社員が、その空気を出している。
自動車メーカーなんだから当たり前だと思われるかもしれないが、このブログを読んでいるアナタ。あなたの会社を見渡してみてください。会社の業務に熱い人がどれ程います?どこか醒めていて、「仕事だから」とかの理由でまじめに、淡々と働いているという空気を感じませんか?
メディアを対象とした試乗会に参加するのだから、それなりにマツダの中でもそれなりの方たちだ、というのは分かる。しかし、この手の試乗会は何も、マツダだけがやっているわけではなく、どこのメーカーもやっていること。だから、その会社の空気というのもそれぞれあり、感じるものもそれぞれだったりするのだ。
開発主査の田中さん。もう、ベロベロ。だけど熱い。そしてCX-5への想い、語りまくり!完全にカラミ癖があると見た(笑)こんな乱れ方もマツダならではで、親近感を増す。こんなおもてなしを受けたら、悪い印象を持つ人はいないだろうなぁ。
ということで、CX-5を存分に堪能した昼夜でした。もちろん、帰りの飛行機には余裕を持って搭乗し、無事帰京なのだ
(^^)