メルセデス・ベンツSLC海外試乗記 気軽に扱えるエントリークラスのコンパクト・オープン

マニアック評価vol453
_LI_6092

メルセデスのコンパクトなライトウェイトオープンスポーツカー、SLKがフェイスリフトと同時に車名を変更した。新しい名前は「SLC」。先頭にある二文字は「S」がスポーツ、「L」が軽いという従来通りの意味を持ち、今回「K」から変わった「C」は、Cクラスと共通のパワートレーンを使うことの表れだ。<レポート:清水和夫/Kazuo Shimizu>

250d(日本未導入)
250d(日本未導入)
250d(日本未導入)
250d(日本未導入)

名前は変わったが、従来のSLKや兄貴分のSLと同じ電動格納ハードトップであるバリオルーフの採用がSLCの特徴だ。このルーフは40Km/hまでなら走行中でも開閉が可能で、格納しても335Lのラゲッジスペースが確保されている。

SLC300の2.0L・4気筒直噴ターボ(日本未導入)245psを発生
SLC300の2.0L・4気筒直噴ターボ(日本未導入)245psを発生

日本に導入されるモデルは1.6L直噴ターボエンジン(156ps/250Nm)搭載のSLC180、2.0L直噴ターボ(184ps/300Nm)のSLC200、そして導入は未決定だがSLC300は、2.0L直噴ターボで最高出力245psという多様なラインアップがある。もっともホットなモデルはAMG SLC43で、最高出力が367psのV6ターボだ。このエンジンはCクラスのAMG C43に搭載されるエンジンと同一である。

■SLCは気軽に愉しめるオープンカー

フランス・ニースの裏山にある山岳路でのテストデイは、あいにく小雨が降ったり止んだりの天候だったが、そんなときバリオルーフはあっという間に開閉できて非常に便利だ。快適な乗り心地に任せルーフを開けると、アルプスから冷たい風が吹き込むが、シートヒーターとヘッドレストに内蔵した超小型のセラミックヒーターが首回りに温風を送るエアスカーフのおかげで、ストレスなくオープンドライブが愉しめる。

16C88_021

2.0L 4気筒ターボに組み合わせた9Gトロニック(トルコンAT)は、100Km/hまではクロスギヤレシオなので、加速は想像以上にシャープだ。公表されるデータはSLC300では0-100km/h加速は5.8秒の速さを持っている。新型ボクスター(2.0Lターボ)が5.1秒であることを考えると、SLC300も頑張っている。

メルセデス・AMG SLC43
メルセデス・AMG SLC43

リアルAMGではないが、AMGのDNAを持ったSLC43はトルクフルなV6ターボを搭載する。このモデルはワインディングは不用意にアクセルを踏み込むと、簡単にリヤがブレークする程のパワーだ。機械式LSDもオプションで用意されているので、サーキットも愉しめるパフォーマンスを持つとメルセデスは胸を張る。

Das neue S-Class Cabriolet und der neue SLC, Côte d'Azur 2016,

そう、SLC43はサーキットを少し意識して開発されたようだ。非公式だが、ニュルブルクリンクを7分50秒くらいで走る実力を持っている。SLCの成長によってSLの存在感が脅かされるかもしれないが、それはそれで面白い兄弟対決がみられそうだ。

メルセデス・ベンツ SLC 価格表

メルセデス・ベンツ日本 公式サイト

COTY
ページのトップに戻る