アウディは2019年2月28日、V10エンジンの10周年を記念した特別限定モデル「R8 V10ディセニアム」を発表した。620ps発生するV型10気筒エンジン、専用のブロンズアクセントカラーをインテリア、エクステリアに配した、世界で222台の限定生産という希少な2座席ミッドシップ・スポーツカーだ。
なおこの限定生産モデルは、新型R8量産モデルと同時に発売される計画で、「ディセニアム」という車名はラテン語で10周年を意味する。
R8クーペをベースにした「R8 V10ディセニアム」のボディは専用カラーのデイトナグレイ・マットエフェクトを採用。20インチホイールと5.2L・FSIエンジンのインテークマニホールドは、マットブロンズ仕上げとなっている。フロントスポイラー、サイドシル、ディフューザーはグロスブラックで塗装され、エクステリアにはブラックのアウディ4リングとロゴが装着されている。
またサイドブレードとドアミラーハウジングは、グロス・カーボンファイバー製だ。なお専用カラーのデイトナグレイ・マットエフェクトの他に、デイトナグレイ・パールエフェクト、スズカグレイ・メタリック、フローレットシルバー・メタリック、ミトスブラック・メタリック、アスカリブルー・メタリック、ケモーラグレイ・メタリックを選択することもできる。
インテリアはブラックを基調として仕上げられ、グロス・カーボンファイバー製のトリムがハイライトとなっている。スポーツシートはキルティングされたランバス(ひし形)パターンのステッチ仕上げだ。セレクターレバーとステアリングホイール(アルカンターラ巻き、12時の位置にマーキングを設置)には、センターアームレスト、ドアアームレスト、ドアレールと同じコッパーカラーのステッチ仕上げとしている。
標準のR8モデルと同様に、アウディバーチャルコックピットとMMIナビゲーションプラスが標準装備となっている。
「ディセニアム」のロゴは、センターコンソール、ドア、グロスカーボンファイバー製ドアトリムインレイに装着され、ドアを開けたときに路面に浮き上がるロゴプロジェクターにも採用されている。ドアに設置されたこのプロジェクターライトは、「ディセニアム」のロゴに加え、各モデル専用のシリアル番号が地面に投影される。
グロスカーボンファイバー仕上げが施されたセンターコンソールにも「ディセニアム」ロゴが装着され、インテリアのアクセントとなっている。このロゴは、アウディが特許を持つ部分マット仕上げが特長だ。素材の表面は、特殊な粉末を使用して、数千分の1ミリ単位で粗面化処理が施されているという精緻な仕上げだ。
「R8 V10ディセニアム」は5.2L・V10気筒FSI自然吸気エンジン・シリーズの中のハイパワー仕様が搭載されている。最高出力は620ps、最大トルク580Nmを発生し、0-100km/h加速は3.1秒、最高速度は331km/hだ。この「R8 V10ディセニアム」は2019年春から発売され、価格はヨーロッパ価格で22万2000ユーロ(2820万円)となる。
この「R8 V10ディセニアム」の発売と同時に新型R8も発売となる。新型R8は、よりシャープなエクステリアデザインを採用し、サスペンションや運動性能がさらに引き上げられている。市販モデル用の2種類の自然吸気エンジンは、570ps仕様と620ps仕様がラインアップされ、R8クーペ V10 クワトロはヨーロッパ価格で2100万円、R8スパイダー V10 クワトロは2270万円、高性能仕様のR8クーペ V10 クワトロは2530万円となっている。(日本での販売価格は未定)