ボルボ・カーズは2019年10月10日、1週間後にワールドプレミアが行なわれる新型電気自動車「XC40 リチャージド」に全く新しいインフォテイメント・システムを搭載すると発表した。その最新インフォテイメントは「グーグル アンドロイド」をベースにした新しいシステムだ。
グーグルと共同開発したアンドロイド・プラットフォーム
ボルボは企業として初めてグーグル社と提携し、アンドロイドを搭載したインフォテイメント・システムに、グーグル・アシスタント(Google Assistant)、グーグル・マップ(Google Maps)、グーグル・プレイ・ストア(Google Play Store)を組み込む。このシステムはボルボとグーグルが過去数年にわたり、共同で開発を行なってきた成果のひとつだ。
この新しいシステムにより、グーグル社のオープンソース・アンドロイド・プラットフォームであるアンドロイド・オートモーティブOS(Android Automotive OS)を完全に統合し、グーグル・マップ、グーグル・アシスタントの他、世界各地の開発者が作成した多様な自動車用アプリなどのサービスをリアルタイムで更新できるようになっている。
電気自動車のXC40 EVは、ボルボ車として初めてソフトウェアとオペレーティング・システムのアップデートを無線でアップデートできるという最先端のコネクテッド・システムを実現する。
ボルボ・カーズの最高技術責任者を務めるヘンリック・グリーンは、「ようやくスマートフォンで慣れ親しんだ使い方を車内でも提供できるようになり、運転中でも安全に操作できるようになっています。メンテナンスから全く新たな機能の追加に至るまで、すべての機能がワイヤレスで更新できるようになるので、他のデジタル機器と同様に、車両を常に最新かつ優れた機能を備えたフレッシュな状態にしておくことができます」と語っている。
会話型のグーグル・アプリをフル活用
アンドロイド・オートモーティブOSの最も優れた機能のひとつは、何百万人もの開発者が慣れ親しんだアンドロイドのオペレーティング・システムを採用しており、車載用に設定されているという点があげられる。車両にはグーグルとボルボ・カーズが共同で開発したテクノロジーとサービスが組み込まれており、グーグル・プレイ・ストアを通じて自動車用に最適化し、適合させた音楽アプリやメディア・アプリを任意に追加入手できる。
グーグル・アシスタントは音声だけで車両の機能を操作することができる。例えば車内のエアコンの温度調整や、目的地の設定、様々なアプリで好きな音楽やポッドキャストの再生、メッセージを送受信して連絡を取り合うこともできる。
この会話による機能統合によりドライバーの注意が散漫になること防ぎ、ハンドルを握ったまま運転に集中できるようになる。またグーグル・アシスタントは、対応するボルボ車でスマートホーム/スマート・スピーカー機器を利用したり、情報を取得したりすることもできる。
グーグル・マップは、最新の地図や交通に関するデータをリアルタイムで提供し、ドライバーにこれから向かう先の交通状況を知らせ、積極的に代替ルートを提案したり、最寄りの充電スタンドに寄るよう提案したりすることができる。また、豊富な情報を持つ最新の地図&位置情報データを使用してXC40の先進運転支援システム(ADAS)の機能を強化し、ルート上の制限速度やカーブなどの重要な情報を知らせることもできる。
拡大するコネクテッド機能
ボルボ・カーズはソフトウェア・エンジニアやデジタル・サービス・プラットフォームのボルボ・オン・コール(Volvo On Call)などを活用して、ソフトウェアやコネクテッド・サービスの開発も継続している。
例えば今回の新しいインフォテイメント・システムはボルボ・オン・コールと完全に統合され、バッテリーの状態や充電レベルのモニタリングといった新たな機能が提供される。
さらにボルボ・オン・コールには、寒い冬の日にあらかじめ車内を温めたり、大規模な駐車場で自車の駐車位置を確認したり、リモートコントロールで車両のロックおよびロック解除を行なったり、デジタルキーで車両を共有するなど、多くの機能も統合される。