2016年8月5日、横浜ゴムは岩谷瓦斯と共同で82MPaの高圧に対応した高圧水素ガス用ホース「ibar HG82」を開発し、8月上旬から販売すると発表した。
高圧水素ガス用ホースは燃料電池自動車(FCV)に水素を充填するディスペンサー用ホースで、法改正による水素ステーションの高圧化に伴い、82MPaでの水素充填に対応するほか、軽量で柔軟性に優れており、運搬や充填作業がしやすいのが特徴。
横浜ゴムは、2006年に35MPa用ホース「ibar HG35」、2010年に70MPa用ホース「ibar HG70」を開発し販売。2013年からは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)の事業委託を受け、より高圧に対応した水素ガス用ホースの開発に取り組んでいる。将来的には国内でも国際基準と同等の87.5MPaへ水素ステーションを高圧化する計画に基づき、87.5MPaにも対応するホースの開発も進めている。
「ibar HG82」は、従来品「ibar HG70」の技術をベースに開発。繊維と鋼線を組み合わせたハイブリッド構造(特許出願済)とすることで、より高圧に対応させながら軽量化と柔軟性、さらに耐久性も実現。同時に、これまでの評価で得られた知見を活用し、実際の水素ステーションでの使用環境を想定した独自のホース評価試験法を開発、実施することで安全性を追求した高圧水素ガス用ホースだ。
横浜ゴムは「ibar HG82」のシェア拡大を通じ燃料電池自動車と水素ステーションの普及に貢献するとしている。水素ステーションは2016年6月現在で全国で77ヶ所あり、今後も国内外で開設が進められる。