米国の横浜ゴムのタイヤ販売会社Yokohama Tire Corporation(ヨコハマタイヤコーポレーション=YTC)は2023年6月16日、米国・コロラド州で6月25に開催される「第101回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に参戦する車両にレーシングタイヤを供給すると発表した。
2023年のパイクスピークに参戦する6クラス26台以上へ、サスティナブル素材を使用したレーシングタイヤ「アドバン A005(ドライ用)」を含むアドバン・レーシングタイヤを供給。
グローバルフラッグシップタイヤ・ブランド「アドバン」は45周年を迎え、2年連続の総合優勝をはじめ全クラスでの優勝を目指すことになる。
「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」は1916年から開催されている伝統あるヒルクライムレースで、別名「雲へ向かうレース」と呼ばれ、標高2862mのスタート地点から標高4300mにあるゴールまでの約20kmのコースで競われる。
ヨコハマタイヤ装着車は2020年と2022年に総合優勝、2021年に2部門でクラス優勝を果たしている。
サスティナブルな素材比率を上げたレーシングタイヤ
横浜ゴムが「アドバンA005」を供給するのは、2022年総合優勝を果たしたロビン・シュート選手だ。タイヤは2023年から全日本スーパーフォーミュラ選手権にワンメイク供給しているものと同スペックで、従来タイヤと同等のグリップ性能を維持しながらサステナブル素材比率33%を達成しているタイヤ。
このタイヤは、天然ゴム、アブラヤシの実やオレンジの皮から生成したオイルなど、各種自然由来の配合剤を活用し、リサイクル鉄や廃タイヤから再生したリサイクルゴム、さらにマスバランス方式の合成ゴムを採用することで原材料全体の約33%をサステナブル素材としている。
また、エキシビションクラスで「2021 テスラ モデルS プレイド」を駆るランディ・ポブスト選手へ供給する「アドバンA005」は、走行時に最も変形が大きくなるサイドウォールのゴムを、従来の石油由来のブタジエンゴムからバイオマス由来のブタジエンゴムに変更し、再生可能原料比率を高めている。
今回、過酷なヒルクライムレースでの実戦を通じて新たな知見を取得し、環境負荷を低減する技術開発をさらに加速化することになる。
そのほか、2022年にオープンホイールクラスで優勝したコーディ・ヴァショルツ選手やタイムアタック1クラスで優勝したデビッド・ドナヒュー選手など、多くの有力選手へ供給する。また、「ポルシェ ケイマン GT4 クラブスポーツ」などで競われる「ポルシェ パイクスピークトロフィー by Yokohama」クラスへのワンメイク供給も継続し、6年連続で「アドバン A052」を供給する。