2017年5月18日、世界的な自動車部品サプライヤーのヴァレオは、同社の最新レーザースキャナー「SCALA」を使用したリアルタイム高性能障害物検知システム「SCALAコクーン」を日本で初公開した。
■レーザースキャナー 「SCALA(スカラ)」
レーザースキャナー 「SCALA(スカラ)」は、ミリ波レーダーやカメラより広い視野、幅広い角度で、障害物や歩行者、樹木などを高解像度に正確に検知することができ、高度運転支援システムや自動運転には不可欠なセンサーだ。
昼も夜も、低速でも高速でも機能し、樹木や駐車している車両、ガードレールなどの静止物も、走行中のクルマやバイク、歩行者など動く対象物も、あらゆる障害物を検知できる能力を持つ。
このスカラを4個組み合わせることでクルマの周囲360度の障害物検知を行なうのが「スカラ・コクーン」だ。このシステムは市販車に搭載される初のレーザースキャナーとなり、2017年の後半にはドイツのプレミアムブランドのクルマに搭載される。
■48V電動駆動システム
ヴァレオは、12V、48Vの多様なマイルドハイブリッドを展開しているシステムサプライヤーだ。最もローコストの12V発電&モーターによるマイルドハイブリッド、48Vの発電&モーターによるハイブリッド、通常の発電&モーターユニットをリヤアクスルに装備する48V電動リヤアクスルドライブ (eRAD 48V) 、さらに12Vまたは48V電源で駆動する電動スーパーチャージャーもラインアップしている。
今回初公開した48V電動リヤアクスルドライブ (eRAD 48V)はより大幅な燃費向上が可能で、バッテリーサイズに応じた電動での4輪駆動、限定的なモーターのみによるゼロエミッションドライブが可能となる。またこの48V電動リヤアクスルドライブは単独で街乗り用低速EV向け電気駆動モーターとしても使用できる。
電動スーパーチャージャーは、マイルドハイブリッド・システムと組み合わせて使用でき、発進加速、追い越し加速の時に電力で稼働させ、エンジンの出力アップを図ることができる。この電動スーパーチャージャーは水冷式で、制御ECUやCAN接続端子を内蔵するなど独自のパッケージングとなっている。
最高回転数は7万回転、重量は48V用で2.6kg、12V用で2.5kgと軽量だ。ガソリン、ディーゼルなど多様な内燃エンジンに適合することも特長だろう。
またヴァレオの関連会社「ヴァレオ・シーメンス・eオートモーティブ」は、ボルボの7人高性能新型SUVのXC90に高電圧モーター&インバーター を供給している。「Drive-E」エンジンとこの高電圧ハイブリッドにより高出力と、優れた燃費を両立している。
この信頼性が高くて廉価なeモーターシステムは、高い汎用性を備え2.6 kW/kgまでの高い出力密度を提供する。出力は25kWから最大300kWの範囲で、クルマに合わせてモーターの全長と直径を最適化できるモジュラー設計となっている。