ヴァレオと市光工業は2025年10月15日、東京ビッグサイトで10月30日(木)から11月9日(日)まで開催される「ジャパンモビリティショー 2025」に共同出展し、5点の日本初公開技術を含むソフトウェアとAIを活用したソリューション、スマートな電動化テクノロジー、そして自動運転時代に対応する画期的なライティングのソリューションを展示すると発表した。

ヴァレオ
モビリティがSDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)へと進化する中、ヴァレオはその核となるソフトウェアとAIを駆使した革新的なソリューションを展示する。
今回、日本で初公開するヴァレオ・レーサー、ヴァレオ・アシストXR、ヴァレオ・ステアUXは、ソフトウェアと車載センサーを駆使した新たな車内のデジタル体験と、コネクティビティとAIによるリモートアシスト、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)の新たな形を具現化したものだ。
ヴァレオ・レーサー
クロス・リアリティ(XR)を活用したユニークな車載ゲーム体験で、車内エンターテイメントの新しい形を提案している。乗員は、車両のWi-Fiに接続されたスマートフォンやタブレットでリアルタイムにゲームを楽しむことができる。

このXR技術は、車両に搭載されている既存の先進運転支援システム(ADAS)センサーと、車載のAI知覚アルゴリズムを利用し、現実の道路、カーブ、障害物などがゲームのシーンに組み込まれ、実際の走行環境がゲームの舞台となる。クラウド対応のマルチプレイヤーモードもあり、車に乗っていない友人や家族もリモートでゲームに参加することができる。ヴァレオ・レーサーは、アジアのOEMからビジネスを受注しており、2026年第1四半期に搭載車が発売されることになっている。
ヴァレオ・アシストXR
ヴァレオ・アシストXRは、緊急時(eCall)、故障や損傷時のアシスタンス(bCall)、サービスコール(sCall)など、より効率的にサポートするために車両とその環境から情報を収集する新たなソリューションだ 。追加のハードウェアなしにコールセンターからリアルタイムのデータとビデオストリームにアクセスできるようにし、プレッシャーがかかる状況での効率を向上させることができる。

状況評価を改善し、情報処理の速度を早めるために人工知能(AI)を活用し、AIとクラウド機能はAmazon Web Services(AWS)を利用します。ヴァレオが開発したユーザーフレンドリーなインターフェースにより、オペレーターがデータにアクセスしやすくなるのだ。
ヴァレオ・ステアUX
これは次世代のステアリングホイールだ。ステア・バイ・ワイヤ技術によって、ステアリングホイール全体をインタラクティブな操作エリアへと変化させることができる。タッチセンサー、入力センシング、ハプティクス(触覚フィードバック)を備えたクリスタルスイッチと、必要な時だけ表示されるアイコンにより、ドライバーは注意をそらされることなく、安全機能やエンターテイメント機能をシンプルかつ多彩に操作できる。

自動運転時のオートモードに切り替わると、クリスタルスイッチ周辺のエリアがアクティブになり、仮想キーボードを使ってメールを確認・返信したり、ホイール両側のタッチパッドとバックボタンをコントローラーとしてゲームをプレイしたりできる 。さらに、ドライバーがステアリングホイール中央に息を吹きかけてアルコール検査を完了しないと、ドライブモードが起動しない飲酒運転防止機能も搭載している。
ヴァレオは、低電圧から高電圧まで網羅する、業界屈指の強力な電動化ソリューション・ポートフォリオを確立している。今回はヴァレオがパイオニアである48Vシステムの最新ソリューションを紹介する。
48Vゴルフカート
リジッドアクスルに一体化したヴァレオ48V駆動システムのパフォーマンスを体感できるデモカー。リジッドアクスルと呼ばれる車体の構造部品に電動モーターやギアボックスなどの駆動系部品をモジュールとして組み込むことにより、ゴルフカートや小型ユーティリティビークルなどの小型EV向けのアフォーダブルでシンプルかつ堅牢な電動化ソリューションだ。

都市部の小型車向けに設計された48Vパワートレイン新型eAccessは、日本初公開となる。48Vモーター、一体型ギアボックス、インバーターをコンパクトなユニットに統合した3輪および4輪電動車向けのシンプルでアフォーダブルな電動ソリューションだ。構成に応じて、最大100kmの航続距離と最高速度45km/hから95km/hを実現できる。第1世代の「eAccess」は、ヴァレオのベルトスタータージェネレーター技術をベースに設計されていたが、今回出展する新型はギアタイプで、トルクの伝達性能を高めながら、コンパクトさ、シンプルさとアフォーダブルさを兼ね備えている。
48V インバーター 一体型 スモールモビリティ モータージェネレーター(iSMMG)
iSMMGも日本初公開となる2輪向けに設計された48Vパワートレインソリューションだ。従来のSMMGはモーターとインバーターが別体であったが、iSMMGはモーターとインバーターを「i=Integrated」統合した「2 in 1」ソリューションで、空冷式の一体型マシン。連続出力は4kWおよび6kW、ピーク出力は6kWおよび10kWであり、システムピーク効率は90%を超える。量産開始は2027年を予定している。
48V 15kW eモーター&インバーター
このシステムは乗用車および2輪・3輪車用の48Vのベルトレス・モーター・ジェネレーターだ。油冷モーター+水冷インバーターの仕様で、P3(トランスミッション取り付け位置)向けである。2021年から量産しており、ハイブリッドDCT向けとして中国/EUのOEMに納入されている。25kWモデルも開発中で、水冷モーター+インバーターの仕様で、P4(リアアクスル一体モジュール)向けとなっている。
市光工業
市光工業は、自動運転時代に不可欠な安全性の向上と円滑なコミュニケーションを実現するライティング・ソリューションを展示する。
ダイナミック・アンビエント・ライティング
Lynk & Co Z20に搭載されたダイナミック・アンビエント・ライティングを展示する。灯体のキャビンの中心には目を引く「インフィニティライト」が配置されている。インストルメントパネル全体に広がる全長RGBマルチLEDは、光り輝くトンネルのように空間の知覚を広げ、動きのある多彩な色の光で感覚に訴えかける。4つのムード設定(花火、オーシャン、ムーンライト、ネオン・シティ)により、車内はパーソナライズされた空間に変わり、光と音を連動させることもできる。
HDライティング
ヘッドランプの照射範囲を数万ピクセルに分割して個別に制御する技術である。この技術により、ハイビーム領域では高精細なグレアフリーハイビームを実現し、最大限の視界を確保できる。また、精細な配光制御によって標識への照射を減光し反射による眩しさの低減や、センシングカメラのハレーションも防止する。

さらに、ロービーム照射範囲を高解像度化することで、レーンガイドやナビゲーション表示を路面に投射することによる運転サポートが可能になり、将来的には自動運転時に交通利用者への円滑なコミュニケーションにも活用できると期待される。

e-Face
自動運転車から周囲の交通利用者へのコミュニケーションの支援で安心・安全を提供する外向けヒューマン・マシン・インターフェースである。自動運転中の車両の状況に応じて文字や表情で「自動運転中」や「あいさつ」などの行動表示を行ない、ドライバーが行なう周囲の交通利用者とのコミュニケーションの一部をe-Faceが代替する。

また、自動運転”地域モビリティ”コンソーシアムに参加し、災害時の情報発信や警告表示などを行なう地域インフラの一つとして役に立つ可能性も探求している。
e-Grille
自動車の電動化・自動化に伴い変化していくフロントパネルの性能を高める技術だ。フロントフェイス全体に拡がる信号灯と融合し高度な先進運転支援システム(ADAS)に必要なセンサーを内蔵することで、効率的な構造と高い意匠性を提案することができる。

ADASの世界的リーダーであるヴァレオ・グループのシナジーを活かし、ライティングとセンサーを統合した製品を供給する。













