グローバル・サプライヤーのヴァレオは2021年12月20日、ラスベガスで1月5日~8日に開催される「CES2022」で今後のモビリティをよりクリーンで、より安全で、より自律的、 さらにより常時通信できるように変革する5つの主要な技術を披露すると発表した。
ヴァレオはクルマの電動化の世界的リーダーとして、都市向けの小型車から高性能プレミアムカーまでの技術を開発している。今回、ヴァレオのブースに展示されるメルセデスベンツの電動レンジ フラッグシップ車両のEQSはヴァレオ・シーメンスeオートモーティブのシステムによって電気駆動されるBEVだ。
この電動パワートレーンは、リヤに300kW(408ps)、フロントに170kW(231ps)出力のモーターと、それぞれのシステムの頭脳であるインバーター、 減速機で構成されたeアクスルを搭載している。
また48Vシステムのパイオニアであり、世界のリーダーの一角を占めるヴァレオは、CES2022でフル電動の48Vモーターサイクルを発表する。このシステムは、費用対効果の高い方法で車両に電力を供給し、都市向けの小型車両など新しい形態のモビリティに適している。
そして高度運転支援システムの分野でも大きな進化が進められている。CES2022においては第3世代に進化したスキャニングLiDARを初公開する。
このSCALA 3は2024年に市場に投入される予定だ。このスキャニングLiDARは、人間の目やカメラ、レーダーでは見えない200m先の物体をレーザービームにより検出することができ、この知覚、分析機能により、ドライバーは高速道路での走行中に運転を車両にまかせる自動運転が可能になる。
この最新の長距離用センサーに加えて、車両近くを検知するヴァレオNFL(ニアフィールド LiDAR)をラインナップに加える。この新技術はCES2022が初公開となる。
このイノベーションにより、車両が始動するとすぐに360度全周の映像が表示され、高度に自動化されたクルマに周辺の映像を提供し死角をなくすることが実現する。
さらにヴァレオVoyageXRパノラマは、より広角映像を実現している。このテクノロジーは上空のドローンのような視点で提供可能だ。道路を走行中の車のスクリーンにドローンで撮影されたかのような3Dの360度ビューを表示す。このイノベーションは、遠隔操作する自動運転車の安全性を高め、現実と仮想の境界を取り払う新しい技術となっている。
インテリアの分野では、インテリジェント インテリアを作り出し、乗員支援と保護における役割をキャビン内にまで拡張していく。ヴァレオ セーフインサイトはいくつかのテクノロジーを組み合わせることで、ドライバーに焦点を当てドライバーの注意力が散漫になったり眠気を感じたりしている場合にドライバーに警告する。
また乗員が乗車したことを認識し、シートベルトを締めるように促す。そして停車中に誰かが車中にいるかを検知し、もし子供が置き去りにされた場合に警告する統合システム「インテリジェント・インテリア」をデモンストレーションする。
もう一つ、ヴァレオはキャビン内の空気清浄化システムにも最新技術を投入している。高効率キャビン エアフィルターは、アレルゲンの96%とウイルスの99.4%を除去することができる。
さらにヴァレオのバス用UV空気清浄機は、95%以上のウイルス除去が可能だ。こうしたノウハウを活かして、ヴァレオは健康上のリスクを検出する端末を新たに開発。このデバイスは、患者と接触することなく2分以内に感染を検出することが実現している。