ヴァレオのパリ本社は2021年12月9日、レベル3の自動運転を実現する新型メルセデスベンツSクラスに同社のLiDAR「SCALA(スカラ)」の第2世代が初搭載されることを発表した。
LiDAR(レーザースキャン装置)「SCALA」を搭載したメルセデス・ベンツSクラスは、 高速道路や渋滞時(60km/h以下)など制限された条件下において、自動モードで運転できるようになる。この条件付き自動モードでは、車両が運転を完全に制御し、ドライバーは一時的に前方の道路、交通環境から目を離すことが許される。
そのためドライバーは運転以外のタスクに集中する時間が得られ、電話をかける、ネットサーフィンをする、電子メールを読むことも可能になる。
LiDARはさまざまな状況やあらゆる気象条件で独自の優れた検知性能を発揮し、車両の前方を1秒間に25回スキャンする。そして200m以上の長距離の検知範囲と広い視野角を兼ね備えている。
レベル3自動運転には、一連のセンサーと組み合わせたLiDARテクノロジーが不可欠だ。ヴァレオのLiDARは世界で最初に自動車用の規格に適合する量産レーザースキャナーであり、すでに発売中の、アウディA8や、世界初のレベル3自動運転を実現したホンダ レジェンドにも採用されるなど2017年の発売以来、15万基以上が生産されている。
より高性能な第2世代LiDARは2021年に市場に投入され、新型メルセデスベンツSクラスに初めて搭載されることになったのである。
新型メルセデスベンツSクラスは、ヴァレオの新世代LiDARクリーニングシステムを搭載する初の車両となる。車載LiDARはあらゆる季節と道路状況において視野をクリーンに保つことが必要だ。
新型メルセデスベンツSクラスは、ヴァレオの2つのイノベーションを備えたデバイスが装備される。第1は、洗浄液を噴霧する伸縮ノズルを加熱することで氷を解かす解氷機能を持つ。第2は、従来のノズル式のように一点からスプレーするのではなく、液体のカーテンをLiDARの表面全体に吹き付けてクリーニングする新方式としている。ヴァレオのクリーニングシステムはセンサー自体に組み込まれるように設計されていて外から見えず、車両の外観に影響をえることがない点も特長となっている。