2018年10月1日、世界的自動車部品サプライヤーのヴァレオは、高速道路用自動運転車「Cruise(クルーズ) 4U」が日本を一周する6700kmのドライブ「ハンズオフ ジャパン ツアー」を開始した。この自動運転車はヴァレオジャパン・つくばテクノセンターを出発し、北海道まで北上したのち、本州を縦断して鹿児島まで南下。四国を経て、つくばテクノセンターに10月中旬に到着予定だ。
Cruise 4Uは、ヴァレオの360度全周検知システムを備えている。複数台のヴァレオ・レーザースキャナー SCALA(スカラ)とフロントカメラ、4台のサラウンドビューカメラと4台のレーダーにより、10cmから200m先にある障害物まで検知できる。高性能なソフトウェアが、センサー類の全情報をリアルタイムで処理し、運転操作に反映するシステムを搭載している。
これまでヴァレオCruise 4Uは、フランス一周、米国一周、欧州一周、パリ環状道路24時間連続走行などの実走行を行ない、これらで蓄積した技術と経験が日本一周にも使用される。
今回の「ハンズオフ(手放し運転) ジャパン ツアー」は、ヴァレオが開発した渋滞追従や高速での追従など、一定の状況でドライバーの代わりに運転操作を担うソフトウェアを、実際の道路状況の中でテストする実証実験だ。この日本一周走行によって最新のセッティングを検証・調整することで、自動運転を将来的に誰にでも手が届くソリューションにしていくことができるわけだ。
このツアーの実施にあたっては、ヴァレオの厳格な安全規定を適用しており、ハードウェア、ソフトウェア面での安全対策に加えて、全行程において訓練を受けたヴァレオのシステムエキスパート2名が乗車している。彼らは道路状況とクルマの挙動を常に注視し、必要であればいつでも自ら運転し、周辺の道路利用者の安全を確保する。
Cruise 4Uシステムを実現しているキーテクノロジーが、ヴァレオのSCALAレーザースキャナーだ。クルマの前方向をスキャンし、先行車、バイク、歩行者、街路樹、駐車しているクルマやガードレールなど、障害物を高い精度で検知できる。昼も夜も作動し、高速でも、また低速で走行している時にも機能する。
これらの収集したデータを利用し、スキャナーはクルマ周辺のマップを生成して分析し、車両の周囲で何が起きるかを予測する。ヴァレオSCALAは、量産車向けの厳しい規格を満たして発売された最初の3Dレーザースキャナーで、2017年にアウディ「A8」に搭載され、2018年のPACEアワードを受賞している。
今回のハンズオフ ジャパン ツアーで日本を一周するCruise 4Uは、欧州、米国での実績をベースに、日本列島を縦断する長距離ドライブを実施することで、高速道路、トンネル、長い橋など日本特有のインフラの中で技術を検証してデータを蓄積し、日本のニーズに応える自動運転技術の開発をさらに加速させていくとしている。
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