アウディTT/TTSに純正採用されたTOYOプロクセスT1スポーツとは

プロクセスT1スポーツ

09年の秋、東洋ゴムのタイヤ、プロクセスT1スポーツがアウディのTT、TTSの新車装着タイヤとして技術承認を取得し、納入が開始された。サイズは255/35ZR19 96Yで、TTのオプショの19インチホイール用として、TTSでは標準装備として装着される。

 

プロクセスT1スポーツ

プロクセスT1スポーツは、海外向けの製品のため、新車装着されたアウディTT/TTSの同タイヤが磨耗した場合は、タイヤ販売店ではなくアウディ販売店から購入することになる。アウディに限らず、ヨーロッパの自動車メーカーは、タイヤに関して、それぞれの社内基準でテストを行い、そのテストをクリアしたタイヤに技術承認(ホモロゲーション)を与えるシステムになっている。アウディ用の純正タイヤには、多くの場合サイドウオールに「AO」の刻印がされている。

 

T1-R
プロクセスT1スポーツのトレッドパターンと製品特徴

プロクセスT1スポーツは、日本で販売されているプロクセスT1-Rをベースに開発された海外仕様のタイヤだ。そのT1-Rは、高性能タイヤとして開発され、トレッド面全体がVパターンとしているのが特徴だ。

日本より高速走行の比率や、走行速度レンジが高いヨーロッパ向けとして開発されたプロクセスT1スポーツは、3本のメイン・ストレートグルーブと1本のサブ・ストレートグルーブを備えたトレッドパターンになっている。高速走行時のハイドロプレーンを抑制するためには太く深いストレートグルーブが必須なのだ。その一方で、センターリブは十分な面積を持ち、しっかりとした操舵感を確保している。

 

またトレッドデザインは非対称デザインで、アウト側は接地面積を広くし、剛性とグリップを確保し、イン側はリブ基調のパターンにして制動力を高めている。

groves 

太く深いストレートグルーブによる高速排水効果

コーナー荷重 

非対象パターンによるコーナリングでの荷重の改善効果
 

構造的には、ショルダーサイドの剛性を高め、ステアリング・レスポンスを向上させ、キャップベルトを補強し、高速安定性を向上させている。また、カーカス上面にレーヨンプライを貼り、高速でのコーナリングパワーの向上や安定性を確保。ビードフィラーも硬度を高めて、ステアリングレスポ ンスを向上させている。

構造比較

T1-RとT1スポーツの構造の相違点

コンパウンドは、超高分子量ポリマーと高分散型シリカを結合させたネオ・シリカ・コンパウンドを配合し、高速耐久性とウェットグリップ、耐摩耗性をバランスさせている。

総合的に見て、プロクセスT1スポーツは高性能タイヤとして相当に高いポテンシャルを持っていると考えてよいだろう。

COTY
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