2016年10月4日、世界的な自動車部品サプライヤーのシェフラー社は、IBM社を戦略的パートナーとして迎え、膨大な量のデータ処理や、業務を変革するためのデジタルプラットフォームを構築するとともに、2016年10月からは「シェフラー・クラウド」が利用可能になると発表した。
シェフラーは未来のモビリティ社会に適合する戦略の一環として、社内組織全体のデジタル化を進めている。そしてIBMをデジタルシステムの技術プロバイダーやコンサルタント、開発パートナーと位置付けているのだ。
急速に拡大を続ける「IoT」の世界で、シェフラーはメカトロニック部品やシステムを組み込むことで、市場に対応するデジタルサービスとして新たなビジネスモデルを導入する。これを急速に加速させるため、IBMのサポートを受けるわけだ。その最初の成果として、シェフラーの付加価値デジタルサービス用のデジタルプラットフォーム「シェフラー・クラウド」を2016年10月に立ち上げるというのだ。
IBMは、170の国々で6000を超える顧客と連携し、世界を網羅する形で接続した数10億におよぶ装置やセンサー、システムから直ちに実用可能な知見を引きだすことができる。
IBMが30億ドルを投じて開発したWatsonと呼ばれる認知コンピュータをIoT分野に導入し、さらにIBMは2015年12月Watson IoT部門のためのグローバル本部をドイツのミュンヘンに新設している。ここでは合計1000人のIBM開発者やコンサルタント、研究者、システムエンジニアが、顧客やパートナーとの密な連携を進めているという。
シェフラーAGのCEO代理兼CTO(最高技術責任者)ペーター・グッツマー博士は、「当社は常に、顧客に大きな付加価値を提供するよう努めています。我々の目的は、様々な製品やプロセスから集まるデータを接続することです。分析を通してこの一次データを価値のある知見へと転換し、当社の業務効率向上や顧客のための革新的サービスの開発に役立てていきます。この度、IBMという理想のパートナーを得られたことを、大変喜ばしく思います」と語っている。