CES2019
自動車・産業機器のサプライヤーのシェフラーは2018年12月14日、アメリカのラスベガスで開催されるCES(Consumer Electronics Show)2019に出展し、未来のモビリティ社会のためのイノベーションを初披露すると発表した。
シェフラーは、自動車向けの独自のモビリティソリューションを開発してきているが、これからの社会に適合するため、特に電動モビリティ、デジタル技術による変革、インダストリー4.0(インダストリアルIoT、スマートファクトリー)に焦点を当てた未来志向の経営計画「アジェンダ4+1」に従って変革を行なっている。
シェフラーのCEO代理 兼 最高技術責任者であるペーター・グッツマー博士は、「未来のモビリティの世界は、新たなモビリティを求める人々に適応してますます多様化します。今回は世界初披露を含む3つのコンセプトカーを始め、シェフラーがCES2019で披露する革新的な技術を備えたスマートシステムソリューションは、都市部で人や物を運ぶためのパーソナルで、ゼロエミッションの機能を備えており、自動運転、コネクテッドモビリティの進化を示すものです」と語っている。
バイオ・ハイブリッド:新しい形態の都市交通向けパーソナルモビリティ
シェフラー・グループに属するバイオ・ハイブリッド(Bio-Hybrid)GmbHは、まもなく生産を開始する新しい形態の都市交通向けのパーソナルモビリティである2つのバージョンのコンセプトカーを展示する。
このコンセプトカーは4輪で、走行安定性に優れており、屋根とフロントガラスを備えているため天候に左右されることなく、一年中利用できる。全幅は一般的な自転車とほとんど変わらず、ゼロエミッションで自転車専用道路を通行できるのが特長だ。電動モーターで運転者をアシストする駆動方式を採用し、最高速度は25km/h。荷物運搬用と乗用の2つのバージョンを2020年に発売する予定だ。
シェフラームーバー:持続可能性、柔軟性に優れたコネクテッドプラットフォーム
シェフラームーバーは、多様な自動車コンセプトに柔軟に対応できるゼロエミッション・プラットフォーム。
ホイールのすべての駆動部品とサスペンション部品が、省スペースユニットであるシェフラー・インテリジェント・コーナーモジュールに組み込まれている。90度まで操舵できるステアリングシステムを搭載したシェフラームーバーは、最小パッケージのモビリティである。
シェフラー・パラバンGmbH の自動運転車向けドライブバイワイヤー技術である「スペースドライブ」を実現。また、シェフラームーバーは地域の公共交通システムを補うオンデマンドモビリティであるため、コネクティビティも備えている。
4eパフォーマンス:1200psの出力で電動モビリティの魅力をアピール
シェフラーが電動モビリティの魅力を伝えるために用意したもうひとつの目玉が、コンセプトカー「シェフラー 4eパフォーマンス」だ。このコンセプトカーは、まもなく量産されるフォーミュラEのレースの技術を転用している。
この電気自動車は4個のフォーミュラE用のモーターで駆動され、総出力は880kW(1200ps)だ。フォーミュラEレースカー「ABT シェフラー FE01」から流用したモーターと、これを制御するパワーエレクトロニクスはシェフラーの子会社であるコンパクト・ダイナミック社が開発し、電動モビリティによるドライビング・プレジャーを実現している。
近未来のモビリティのための電動化技術
シェフラーはコンセプトカー以外にも、近未来の持続可能なモビリティに適した内燃機関を実現する電気駆動ソリューションの一例として、電動アクスル、48Vシステム、ハイブリッドパワートレーンなど、革新的なソリューションを展示する。これらのソリューションは、既存の自動車コンセプトへ簡単に効率的に適合し、コスト効果が高いのが特長である。