【シェフラー】フィット・ハイブリッド用の「i-DCD」をホンダと共同開発

雑誌に載らない話vol80

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ホンダ フィット/ハイブリッド用のi-DCDの構造と特徴

2013年10月4日、シェフラージャパンはホンダの新型フィット・ハイブリッド専用のトランスミッション「SPORT HYBRID Intelligent Dual Clutch Drive(スポーツハイブリッド・インテリジェント・デュアルクラッチドライブ:i-DCD)」は同社とホンダとの共同開発であることと、i-DCDに関わる新技術の説明会を開催した。

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     ↑シェフラーの代表的な自動車用製品           ↑シェフラーの3ブランド

シェフラー社は、「Luk」、「INA」、「FAG」という3ブランドを持つドイツのグループ企業で、ニードルローラーベアリングやボールベアリングなど精密軸受け、自動車部品、宇宙航空部品、産業機械用部品のサプライヤーだ。FAGブランドのベアリングはクルマに多数採用されており、精密部品を得意とするINAはポルシェの連続可変バルブタイミング機構、可変バルブリフト・タペット、マツダのディーゼルエンジン用のローラーロッカーアームで有名。またLukブランドはDCTのクラッチシステム、デュアルマス・フライホイール、アルファロメオのマルチエア(連続可変リフト吸気バルブシステム)、最新エンジンの冷却マネジメントシステム、CVT用のチェーンでよく知られており、CVTチェーンはスバル車、アメリカ向け日産車に採用されていることはよく知られている。

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シェフラーの自動車用のブランド別製品

シェフラー製品は従来はヨーロッパ車メーカーでは大きなマーケットを持っているが、近年は中国、インドを始めアジア市場でもマーケットを拡大させている。そのため、シェフラージャパンの体制をより強化する目的でマネージング・ディレクターを置き、そこに自動車事業部と産業機械事業部を設け、それぞれの事業部にプレジデントを置くプレジデント制へと変更し、マネージング・ディレクター兼代表取締役・自動車事業部プレジデントに四元伸三氏が就任している。そして日本における研究開発体制を強化し、「West meets East」型のイノベーション、つまりドイツ本社と連携し、日本発の技術を日本のマーケットだけではなくアジア全体に向けて発信していく戦略としている。

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↑左からシェフラー自動車部門 アジア太平洋担当社長 マティアス・ジンク氏、シェフラージャパン・マネージングダイレクター兼社長 四元伸三氏、本田技術研究所 四輪R&Dセンター 齋藤進主任研究員

その意味でも、今回のホンダとのコラボレーションは、単に部品供給ではなく、制御ソフトを含めたシステム開発となり、ホンダにとってもシェフラーにとっても画期的なプロジェクトと位置付けられる。

P11001677DCT構造

i-DCDに採用されているシェフラー製の部品は、乾式デュアルクラッチ&電動油圧クラッチアクチュエーター、ダブルマス・フライホイール、ギヤセレクト・アクチュエーター、トランスミッションコントロールユニット(TCU)であるが、TCUの制御ソフトはホンダとシェフラーの共同開発だ。シェフラーはヨーロッパのDCTの開発、生産で長い経験を持つが、ハイブリッド専用のDCTはもちろん今回が初めてで、ドイツ本社が開発を行なっている。

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     ↑Luk製の乾式デュアルクラッチ        ↑Luk製の電動油圧式クラッチ・アクチュエーター

 

電力消費 現代電動作動

  ↑DCTのアクチュエーター電力消費比較     ↑ヒュンダイ用6速電動アクチュエーターDCT

特にハイブリッドシステム、モーターと一体化DCTの制御は、通常のギヤ選択とクラッチの断続だけではなく、EVモード、ハイブリッドモード、エンジンモード、回生モードに合わせた制御が必要で、なおかつダイレクト感のある走りを実現する必要があったため開発に時間を要したという。また燃費向上のため、ギヤシフトやクラッチ制御に要する電力使用量を極限まで抑え、同時にクラッチ制御は電動油圧式として半クラッチを巧みに使用するなどドライバビリティも重視されている。

従来のDCTとは全くコンセプトの異なるハイブリッド専用の7速DCT「i-DCD」は世界初であり、1モーター式ハイブリッド用のユニットとして高効率でユニークな存在である。

 

シェフラージャパン公式サイト

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