パイオニア デジタルマップのHEREテクノロジーズと業務・資本提携

2017年9月19日、パイオニアはとオランダのデジタル地図、位置情報サービスのグローバルプロバイダーであるHERE(ヒヤ) Technologies(本社:オランダ・アムステルダム)は、同日に、業務提携および資本提携に関し合意したと発表した。

パイオニアとHERE社は、以前からデジタル地図や位置情報サービスに関して協業業務提携基本契約などを積み重ねてきたが、ついに資本提携に至ったのだ。

2015年9月以来、パイオニアとHEREは自動運転の開発に貢献し、それぞれが保有する技術の活用について協議してきた。これまで2016年5月に自動運転向け地図データの効率的な更新・運用を可能にする「データエコシステム」の開発にパイオニアの「3D-LiDAR」センサーを活用する実証実験に合意している。

また、2017年2月にはグローバルな地図ソリューションと自動車業界など、さまざまな業界向けの次世代位置情報サービスにおいて、戦略的な提携を進めていくことに合意している。また、2017年6月にパイオニアの子会社で地図事業を担うインクリメント・ピー株式会社とHEREは、自動運転時代に向けたグローバルな地図ソリューションの実現を目的とした基本契約を締結している。

パイオニア オランダHERE(ヒヤ) Technologiesと提携

今回は、パイオニアとHEREはドライバーの安全性を高めることを目的としたグローバルなテレマティクス保険市場向けに、地図を活用した事故リスク予測プラットフォームとADASソリューションの開発を進めることに合意をした。

さらに、両社は業務提携を確実に進めていくために、資本提携についても合意したのだ。この資本提携により、両社の戦略的提携がより緊密なものとなることはいうまでもない。

HEREとインクリメントPは、従来から提供しているデジタル地図データのグローバルな提供において協業を進めている。両社は、各々が保有するデジタル地図データを既存および将来の商品やサービスに活用することが可能となり、2017年中にグローバルでデジタル地図データの提供を開始する予定だ。また、両社は、共通フォーマットなど一貫性のあるグローバルデジタル地図データの供給を検討していく予定となっている。

またHEREとインクリメントPは、自動運転を可能とするために必須となる高精度地図の共用化に向けて評価を開始しており、今後、自動運転車両の開発をしているメーカー向けに、グローバルで一貫性のある高精度地図データの提供を目指す。

また、両社はそれぞれ日本で高精度地図の協調領域における基盤を提供する「ダイナミックマップ基盤株式会社」の活動と連携し、HEREは同社と高精度地図制作における協業に向けての議論を開始する。

さらにパイオニアとHEREは、両社の技術を活用したADASソリューションの開発についても協業を進める。地図、位置情報技術を活用し、自動車の速度や交通情報、天候、災害情報などの情報から、ドライブ時の事故リスクを予測するソリューションの開発を目的とし、保険業界を最初のターゲットとして取り組みを開始する。

パイオニア オランダHERE(ヒヤ) Technologiesと提携 提携概要イラスト

パイオニアとHEREは、株式を相互に保有することで業務提携をより確実に進めていくことに合意し、資本提携に至った。その内容は、HEREはパイオニアが新規に発行する普通株式1100万株(現在の発行済株式総数に対する割合:約3%)を総額1734万ユーロで取得する。一方、パイオニアは、アウディ、BMWグループ、ダイムラー3社による持株会社のThere Holding B.V.から、同社が保有するHEREの株式(発行済株式総数に対する割合:1%未満)を同額で取得することについて合意。最終期限は2017年10月5日とされている。

なおHERE社には、すでにインテル、NVIDIAなども出資しており、パイオニア、インクリメントPもこの輪に加わったことになる。

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