パイオニアが路線バスの自動運転化の技術開発に向けた実証実験に合意

2017年8月31日、パイオニアと路線バスを運営する企業の持株会社「みちのりホールディングス」は、路線バスの自動運転の実現に向け、共同で実証実験を行なうことに合意したと発表した。

みちのりホールディングスは、東北、北関東エリアで約2200台のバスを運営し、広域にわたる複数の交通・観光事業会社の持株会社で、傘下に岩手県北バス、福島交通、会津バス、関東自動車(栃木)、東野交通、茨城交通、湘南モノレールの7つの交通・観光事業グループがある。

今回の合意では、将来的な路線バスの自動運転化に向け、スムーズかつ安心・安全な自動運転を実現する技術の検証を目的としている。

傘下に複数のバス会社を所有し、路線バスの運行ノウハウを持つみちのりホールディングスと、カーナビゲーションで培った高い精度の自車位置検出、自動運転に必要とされる走行空間センサー「3D-LiDAR」や自動運転用地図などの開発を進めるパイオニアが、それぞれの強み、知見を持ち寄り、2018年3月期中に実証実験を開始するというものだ。

みちのりホールディングスは関係バス会社の車両の提供、熟練バス運転手の運転情報(走行履歴など)の収集を行ない、一方パイオニアはカーナビゲーションシステムや自動運転に関する技術を活用した実証実験用システムの構築、データの分析を行なう。なお対象となるバス会社や路線など実験の詳細については、両社で今後協議を進めて行くという。

パイオニアは、2006年にプローブデータを活用した独自のネットワークシステム「スマートループ」をいち早く立ち上げ、システム搭載車間で精度の高い渋滞情報などを共有するサービスの提供をしている。また2016年にそのビッグデータを活用して先進運転支援を実現する「マルチドライブアシストユニット」を発売するなど、ドライブをサポートするさまざまな車載機器やサービスを開発・提供している。

現在は車載用途に適した高性能で小型・低コストな「3D-LiDAR」(レーダースキャナー)の開発を進めており、一般車両からの周辺情報を自動的に収集して自動運転用地図を更新・配信する効率的な整備・運用システム「データエコシステム」の構築・提案を目指しており、これらの技術が、自動運転化に向けて投入されることになる。

みちのりホールディングス 公式サイト
パイオニア アーカイブ
パイオニア 公式サイト

ページのトップに戻る