2017年2月8日、デジタル高精度地図のHERE(ヒヤ:本社オランダ・アムステルダ)とパイオニア/インクリメントPは、グローバルな地図ソリューションと、自動車業界など様々な業界向けの次世代位置情報サービスにおいて戦略的な提携を進めていくことに合意したと発表した。
この合意は、2016年来両社で進めてきたパイオニアの「3D-LiDAR」センサー技術を活用し、自動運転用地図の更新・運用を行なうデータエコシステムの開発検討に続くものとなる。
HEREとパイオニアは、それぞれが保有する地図と自動車関連技術などを組み合わせ、業界トップクラスの規模と品質で、グローバルな標準地図の相互提供と自動運転用高精度地図ソリューションの提供に向けた取り組みを進める。
今後、車室内のインフォテインメントや自動運転への活用を検討している自動車業界だけでなく、幅広い業界の顧客に対し、位置情報をさまざまなサービスと連携させる「ロケーションインテリジェンス」を活用した新しいビジネスをサポートする予定だ。また、両社はパイオニアのセンシングデバイスによって収集されたリアルタイムデータを活用した新しいサービスの構築も検討している。
ーー両社の新たな協業の内容は次の通り。
■グローバルな標準地図サービス
HEREとパイオニアの100%子会社であるインクリメントPは、それぞれが保有する地図データを既存および将来の製品やサービスに相互利用する予定。
HEREは、インクリメントPの日本向けナビゲーション地図データを利用し、グローバルでビジネス展開する顧客向けに、グローバル地図サービスとして提供することが可能となる。一方、パイオニアはHEREの地図データを利用し、海外の顧客向け製品やサービスを展開する。HEREとインクリメントPの両社が地図を供給している地域については、両社のメリットが活かせるように今後の協業の可能性を検討する。
■自動運転用グローバルな高精度地図サービス
自動運転用の高精度地図を制作しているHEREとインクリメントPは、自動車業界などさまざまな業界のニーズに応える世界共通の高精度地図ソリューションの実現を目指す。
HEREとインクリメントPは、パイオニアの3DLiDARセンサーで収集したデータを、自動運転向けを含むさまざまな領域の高精度地図ソリューションに活用する。
■パイオニアのセンシングデバイスから収集したデータの位置情報および地図更新サービスへの活用
HEREとパイオニアは、自動車業界などさまざまな業界向けに、パイオニアの市販用デバイスでセンシングしたデータを利用する次世代位置情報サービスを構築し、2018年中の市場導入を目指す。
このデータが加わることにより、HEREのオープンロケーションプラットフォームを活用したドライバー向けのリアルタイムクラウドデータサービスを充実させる。今後、HEREとパイオニアは、それぞれが保有するロケーションプラットフォームの連携や、センシングデータを用いた地図データベースの更新について検討を進める。